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  PASMOカード=技術の進歩について


 書留でpasmoカードが送られてきた。次の日に仙川のスーパー銭湯に行ったので、さっそく使った。なかなか便利である。最初に使ったときに、自動的に3000円がチャージされるらしい。
 そして今日、武蔵境の築月(きいづき)神社に行った。驚いたことに、今まではパスネットさえも使えなかった単線・軽便鉄道クラスの西部是政線で利用ができるようになっているではないか。そんなわけで、一連の記録を示しておこう。

 白糸台2620円(すでに仙川190円往復380円が控除されている)→(170円)→武蔵境2450円→(210円)→府中本町2240円→(120円)→聖蹟桜ヶ丘2120円
 上記のかっこ内の数字は運賃で、駅名の後にある数字は入場時の残高である。なお、最後の聖蹟桜ヶ丘駅の数字は、次回に入場するときの金額になる。こんな面倒なことでも、最初に一回くらいは仕組みを知るために記録をしてみようと思った次第。

 しかし、実際にはPASMO履歴照会サービスがあるので、それを見るとよい。
 私は、どこへ行ったかなどを思い出すときには呼び出して見る。ただし、下記の画面では26日の午前中に日野図書館に行った「聖蹟桜ヶ丘→高幡不動」往復の記載がなされていない。そのことは、表示期間の※に「前日までに確定した情報を表示しています。データ処理の都合により、確定が遅延する場合があります。」と書かれている。
  なお、記されるデータは上のものが新しく、下のものが古い。16日の聖蹟桜ヶ丘から多磨霊園までの運賃は、古いパスネットを精算して使った。そして、多磨霊園駅から白糸台までを歩いた。


 使い方はわかっても、わからないことがたくさんある。
 いったいどのような仕組みで読み取るのだろうか。その辺のことがわからない。
 例えば、X線のようなものを使ったとしたら、人体に悪い影響が出るのではないか。コストダウンするためには、少々の安全を犠牲にしているものが世の中に多いからである。

 便利な「アルミ製の容器」(アルミ缶)などは、どうしても中の液体にアルミが浸出する。そして、そのアルミが飲み物とともに体内に入る。それを長期間にわたって繰り返すと、健康に都合の悪いこともあるだろう。例えば、アルツハイマー症などである。
 しかし、コストの問題やリサイクルの方法を考えると、それが最善らしい。
 また、X線撮影はガンなどの発見に便利である。むろん、X線が身体に悪いことはわかっている。かつて、基準を超えて被爆(ひばく)したレントゲン医師の多くが手の指を失っていた。そんな危険性があっても、病状を知るためには最善の方法である。少々の悪影響があっても、いたしかたがない。
 なぜならば、それによって発見した身体の状態から治療できることのほうが、桁外れにメリットがあるからだ。

 pasmoに付いていた「PASMO取扱規則」「オートチャージサービス取扱規則」「PASMO電子マネー取扱規則」などについては、実はまだ読んでいない。ちょっと見たが、小さい文字でびっしりと書いてある。言葉も難しく、私には何が何だかわからない。
 そのカードの決済用に作った京王のカードも、「京王パスポートカード会員規約」か付いていて、そこには「個人情報の取扱いに関する同意条項」「一般条項」「カードショッピング条項」などがぎっしりと印刷してある。これも私には、何ともわかりにくい。

 実際に、それらをしっかりと読む人はいるのであろうか。どうも利用者よりも運営側のほうを有利に記しているような感じがしないでもない。そういうことは、「パソコンのソフト」や「生命保険の約款(やっかん)なども同じであろう。
 読むことなく利用をするということは、何となく危ないのではないだろうか。しかし、そうかと言っていちいち読んでいたら、時間がいくらあっても足りない。誰もが、「みんなが利用している」ので、大丈夫だろうと考えるからではないか。

 まったく、不思議なことである。
 考え方によっては、利用をする時点から支配をされている感じである。つまり、言うがままの内容で引き受けたことにならないだろうか。契約の内容も吟味しないで利用をするのであるから、問題が起こったときは利用者側が不利な結果になるであろう。
 何となく「賢い少数の○○に、愚鈍な多数の民衆が支配されている」という構図である。それは、現代社会のあらゆる面において見られる。


 確か昭和48年(1973年)のことだったと思う。古川栄一さんが監修をした日本経営出版会発行のハンドブックに、こんな文章を書いたことを覚えている。
 「西暦2000年になったら、財布を持ち歩く必要はないでしょう。
 今思えば、無責任なことを言って、恥ずかしい次第である。
 技術的にOKであることと、社会の事情で実現しないということは別のことであると思う。
 たいがいのことは可能であるが、コストの問題や企業側の都合でなかなか計画が進まないこともあるようだ。

 昭和39年(1964年)に就職をした製紙会社で、入社教育を受けたときのことだ。
 「あと数年したら、牛乳瓶(ぎゅうにゅうびん)が紙になるでしょう。
と開発のスタッフに言われた。
 しかし、そのときに私は理解できなかった。もしも、
 「あと数年したら、ガラス製の容器が紙製の入れ物になる商品も増えるでしょう。」
と言われたら、なるほどと納得したと思う。
 魯鈍な私には、「ガラスが紙になる」という意味が、ちょっと理解できなかったのである。

 コンピュータ技術の発達は、ものすごいと思います。
 やはり、私が最初に就職をしたころの話です。
 銀行の「普通預金」や国鉄の「特急券」などは、台帳が特定の場所に据え付けてあって、それを参照しなければなりませんでした。したがって、銀行預金は口座をもっている支店でしか下ろせませんでした。特急券は駅で申し込むと、即座に予約センターに電話をして座席の空き状況を調べました。それも、実際にはぐるぐる回る回転台に帳簿があって、それを係員がすばやく取り出して確認、そして売約済みのマークを入れるという仕組みでした。
 まったく、現在の「ハードディスクで行われている方法」を手作業でしていたものと、つくづく感心します。そして今考えると、何とも原始的な方法だったと思います。

 pasmoの技術は、すでに数年前から実現可能であったでしょう。
 しかし、それを利用する企業間の利害得失や思惑(おもわく)、つまり「権利や利権」の問題などがあって、なかなか実現をしなかったのではないか。多くの関係者があるときは、利用者の優先よりも企業側の利便のほうが重大なのであろう。
 このpasmoは、いろいろな事情があって、技術が考えたようには進まないという一例であるかもしれません。でも、何とか私鉄とJRが相互に利用できるようになったのは、ご同慶の至りです。
 やがて、30年以上も昔に私が考えた
 「財布を持ち歩く必要はないでしょう。
という時代になるでしょう。
 西暦2000年よりも、だいぶ遅れてしまいましたが、……

(注) 送られてきたカードを見ると、表面に何も書かれていない。無記名式の様式である。
 そこで、「記名式のカード」にしようと思って聖蹟桜ヶ丘駅に行ったら、すでに記名式になっているという。最初は、無記名式のデザインで記名式を作るらしい。そして、何やら機械を通すと銀色の表面のほうに「クロダ コウタ 様」と濃紺の文字で印刷がなされた。さらに、駅員から「紛失をしたときには、直ちに届けるように」とも言われた。おそらくホストコンピュータにインプットして、そのカードを使用不可能にするのではないか。

 実際に使っていて、改札のディスプレイに「SF残額」とか「SF利用」いう言葉が表示された。
 そこで、聖蹟桜ヶ丘の駅員に聞いた。かなり中年の幹部クラス職員のようであったが、まったくわからない。ただ、それは専門用語だということである。そこで仕方なく仙川で下車するときに、改めて聞いてみた。若い社員であったが、「少し待ってほしい」と言って電話をしている。そして、「SF」は「ストアード・フェア」の略だという。本部に問い合わせをして、調べたらしい。しかし、そのようなこと知っていなくて、「よく駅員が勤まるものだ」と私(黒田康太)は驚いてしまった。

 「ストアード」は「stored」で「蓄えられた」とか「持ち合わせ。考えてみれば「ストアード・プログラム方式」の「ストアード」である。「フェア」は「fare」で「料金」や「運賃」の意味あろう。したがって、「磁気カードやICカードを利用して、運賃などの精算をする仕組みにおいて、そのカードにある残高を言う?」のではないだろうか。
 そん程度で、よくわからなかった。そこで、帰ってから「pasmoご利用案内」(株式会社パスモ・PASMO協議会、2007年3月現在)という「A5版の38ページ」のパンフレットを調べてみた。しかし、その14ページには何の説明もなく「出場駅でSF残額が不足となったときは、チャージまたは精算してください。」と突然出てくる。
 そして、21ページには「SF残高履歴の確認」というタイトルがある。そこでも、「SF」自体の説明はない。
 まったく、わかりにくいパンフレットである。おそらく、情報処理のことをあまり知らない若い人が作ったものであろう。

(注の注)ここから−−−
 だいぶ後になって気づいたのであるが、いつも経路を調べるのに見ている「マイページ」にログインすると、
    「記名PASMOに関する注意事項はこちら>>」
というのがあって、その最後に
    「SF(ストアードフェア)とは……?」
と申し訳のようにあり、簡単な説明がなされている。
 もしかしたら、そのようにレベルが深く最後のところにあるのは、後で応急的に付け加えたのかもしれない。
 なぜならば、前に調べたときには見落としていたか、気づかなかったからである。

 なお、トップページからそこを見るときは、
    トップページ > PASMOってなに? > PASMOの種類
とすると、ようやく同じ場所にたどりつく。
−−−ここまで(注の注)

 後ろのほうに約款として「PASMO取扱規則」が付いている。(29ページ)
 その第3条(用語の意義)として、「バリュー」「チャージ」「デポジット」などはある。
 「バリュー」は、「専(もっぱ)らPASMO取扱事業者が定める旅客運賃の支払いや乗車券類との引換え、PASMO加盟店における電子マネー取引に充当する、PASMOに記録された金銭的価値をいう。」とある。
 「チャージ」は、「PASMOに入金することをいう。」、「デポジット」は、「返却することを条件に、当社が収受するPASMOの使用権の代価をいう。」とある。

 これらもまったく、わかりにくい表現でものすごく賢い人が作成したものか、あるいはあまり優秀ではない人が全体を理解しないで作成したものかがわからない。約款でなく、本文(11ページ)には、「デポジットとは・・・PASMOを新規に購入するときに、お客様からお預かりする金額のことを「デポジット(預り金)といいます。金額は500円です。なおデポジットは、運賃の支払いや電子マネーとしてのご利用はできません。」とある。これならば、私にでも具体的にわかる。

 このパンフレットには、全体的にちぐはぐなところがあって、私が探した範囲では「SF」についての具体的な記述はない。
 国鉄が、恥も外聞も知らないような厚かましさで、「JR」などととっぴな名称に変わったときの無責任な体制を思い出したりもした。そして、「Suica」などという変な名前を付けたときも、不思議に思ったものである。もっとも、最初は「西瓜(すいか)を連想したものの、しばらくしてから私は、「改札をスイスイと通れるカード」の略だと気付いたので、度忘れをすることはなかった。
 ついでながら、「JR」には縦棒が一本欠けていたり、「ジュニア」と読むんじゃないかと思いつつ慣れてしまえば、それなりに抵抗がなくなることなども、今回の場合は同じパターンなのかもしれない。

 最初から利用者のことも、少しでもよいから考えて言葉などを選んで欲しいものだ。
 不必要なことならば、どうでもよい。電車に乗るときに、パンタグラフが「菱(ひし)形」であるか「くの字形」であるかなどは、まったく問題でない。また、モーターがサイリスタチョッパ方式でなくてもかまわない。さらに、枕木(まくらぎ)が栗の木製ででなくても、レールの幅が1,067ミリメートルや1,435ミリメートルでなくてもよい。1,372ミリメートルであっても安全であれば、それでよいのである。
 むろん、技術が新しくなることは喜ばしいことで、蒸気機関車が電化をしたりディーゼル化をしたことはご同慶の至り。その恩恵を私たちは受けているのだが、利便性とともに安全性も大きく進化したからにほかならない。

(注の注)ここから−−−
 われわれは、鉄道路線の相互乗り入れなどを検討する立場ではない。したがって、レールの幅などを考えなくてよいだろう。
 1,435ミリメートルが標準軌間で、それよりも狭いものを狭軌という。JRは、新幹線が標準(広軌)であるのに対し、ほとんどの在来線が1,067ミリメートルの狭軌である。私鉄で標準(広軌)を用いているところは、私の知っている範囲で京浜急行。乗ってみると、その走り方で何となくわかる。なお、京王電鉄は都電の軌道幅と同じ1,372ミリメートル。かつて、京王電軌鉄道と言った時代には、都内に乗り入れる計画だったらしい。また、八王子市にあった市電はもしかしたら京王系列の経営だったかもしれない。
 一般には、「軌道の幅が広いほうが走行時に安全」であるといわれている。

 また、動力が石炭であっても電気であってもかまわない。安全で費用が安ければ文句はない。その電気が、原子力発電か火力発電か水力発電かなどは、わからなくてもよい。
 しかし、利用方法などがわからないと困るであろう。
−−−ここまで(注の注)

 しかし、改札口で「SF残高」とか「SF利用」と出たり、インターネットのマイページ画面に「SF残高履歴」と表示され、その「SF」が何かわからなかったら、ちょっと問題ではないか。少しも鉄道会社が困らなくても、大いに私は困ってしまう。



Kuroda Kouta (2007.04.13/2007.06.23)