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 旧約聖書から抜粋(5)



5 第二法の書(Deuturonomium・申命記) 全


第一章


【モーセの言葉前書き】

01 これは、モーセがイスラエルの子らに告げた言葉。ヨルダン川東側にある荒野で、一方にパラン、他方にトフェル・ラバン・ハゼロット・ディザハブがあるスフに近いアラバにおいて。
02 ホレブ山からセイルの山地を通って、カデス=バルネアまでは歩いて十一日の道のり。

03 第四十年の十一月の第一日に、モーセは主が命じたとおり、すべてのことをイスラエルの子らに告げた。
04 モーセが、ヘシボンに住むアモリ人の王シホンを撃ち、アシュタロトに住むバシャンの王オグをエドレイで撃った後のこと。
05 モーセは、ヨルダン川の東側にあるモアブ地方で、この律法を告げた。

【ホレブ山で】

06 私たちの神は、ホレブ山で言った「あなたたちは、すでに久しくこの山に止(とど)まっている。
07 向きを変えて出発し、アモリ人の山地に行って、さらにその隣国のアラバ・山地のシェフェラとネゲブ・沿岸地方のカナン人の土地・レバノンから大河ユーフラテスにまで行きなさい。
08 私が、あなたたちに与えた土地を見なさい」 さぁ行って、先祖アブラハム・イサク・ヤコブに、彼らとその子孫に与えると誓った土地を取りなさい。

09 そのころ、私(=モーセ)はあなたたちに言った「私は、あなたたちの重荷を一人では負えない。
10 神が、私たちの人数を増やしたので、今や空の星のように多くなった。
11 神が約束をしたとおり、千倍にも増え、祝福してくださるように。

【長の選定】

12 どうして私一人で、あなたたちの重荷・もめ事・争いを負えるだろうか?
13 部族ごとに、賢明で思慮深く、経験に富む人々を選び出しなさい。その人たちを長(おさ)としよう」
14 あなたたちは、「提案されたことは、よいことです」と言った。

15 私は、あなたたちの部族の長で、経験に富む人たちを選び、あなたたちの千人隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長として役人にした。
16 私はそのとき、あなたたちの裁判官に命じた「言い分をよく聞いて、同胞内の問題であっても、寄留者との問題であっても、正しく裁きなさい。
17 裁判に当たって、偏見があってはならない。身分の上下を問わず、等しく事情を聞くべきです。人の顔色をうかがってはいけません。裁判は、神に属することだから。もしも、事件が手に負えなかったら、私のところに来なさい。私が直接に聞こう」

18 私はそのとき、あなたたちの守るべきことをすべて命じた。

【エシュコルの偵察】

19 私たちは、主が命じられたとおりホレブ山を出発した。そして、あなたたちが見たあの広くて恐ろしい荒野を通り、アモリ人の山地に至る道を、カデス=バルネアまで来た。

20 私は「神に与えられたアモリ人の山地まで来た。
21 主は、この土地をあなたたちに与えた。先祖の主が言ったとおり、向かって行って取りなさい。恐れてはならない。おののいてはならない」
22 と言った。すると、あなたたちは私のもとに来て「まず人を派遣し、その土地を探らせます。そして、私たちがどの道を上り、どの町に行くべきかを報告させましょう」と言った。

23 私も、それは名案だと思った。そこで、各部族から一人ずつ、合わせて十二人を選び出した。
24 彼らは出発し、山地に上り、エシュコルの谷に着き、そこを偵察した。
25 その土地の果実を取って持ち帰り「主が与えてくださる土地は、良い土地です」と報告した。

【カデス=バルネアにての不平】

26 しかし、あなたたちは向かって行こうとはしないで、主の命令に逆らった。
27 そして、天幕にとどまって不平を言った「主は私たちを憎み、エジプト国から導き出した。さらに、アモリ人の手に渡し、私たちを滅ぼそうとしている。
28 どうして、そんな所に行かなければならないのだ。そこの住民は、私たちよりも強くて背が高い。町は大きく、城壁は天に届くほどで、しかもアナク人の子孫さえも見た」と言って、私たちの心を挫いたではないか。

29 私は、言った「うろたえてはならない。彼らを恐れてはならない。
30 あなたたちに先立って進む主ご自身が、エジプトであなたたちの目の前でしたと同じように戦う。
31 また荒野でも、ここに来るまでたどった旅の途中でも、主は父が子を背負うように、あなたたちを背負ってくださったのを見た」
32 こう言っても、あなたたちは主を信じなかった。
33 この方こそ、あなたたちの先頭に道を進み、あなたたちのために宿営の場所を探し、夜は火、昼は雲によって、行く手を示したのである。

【神の憤りと誓い】

34 主は、あなたたちの不平の声を聞いた。そして憤り、誓って言った。
35 「この悪い世代の人々には、私が与えると先祖に誓った良い土地を見る者はいない。
36 ただし、エフネの子カレブは例外。彼だけは、それを見るだろう。私は、彼が足を踏み入れた土地を彼に与え、その子孫のものとする。彼は、主に従いとおしたからである」

37 主は、私に対しても激しく言った「あなたも、そこに入ることはできない。
38 あなたに仕えているヌンの子ヨシュアだけが、そこに入ることができる。彼を力づけなさい。イスラエルに受け継ぐ土地を任(まか)せるのは、彼である。
39 乳飲み子や、まだ善悪を知らない子供たちは、そこに入ることができる。彼らには、その土地を与える。彼らは、それを取るだろう。
40 あなたたちは方向転換して、葦の海の道を通って、荒野に向かいなさい」

【無計画な攻撃の結果】

41 あなたたちは、私に答えた。「私たちは、主に対して罪を犯しました。私たちは攻め上って、神が命じたように戦います」 そして、安易に考えて武器を携え、山地へ上って行こうとした。
42 主は、私に言った「彼らに言いなさい。攻め上って戦ってはならない。私は、あなたたちの中にいない。敵に撃ち破られてはいけない」
43 私はそう伝えたが、あなたたちは耳を貸さなかった。主の命令に背いて、安易に山地へ上って行った。
44 あなたたちは山地に住むアモリ人に迎え撃たれ、蜂に襲われたようにホルマまで追撃され、セイルで撃ち破られた。
45 戻って来て、あなたたちは主の前で泣いた。しかし、主はその声に耳を傾けず、聞こうとはしなかった。
46 あなたたちは、長い間、カデスに滞在した。


第二章


【モアブを通過する】

01 私たちは、向きを変えた。主が告げたように、葦の海の道を通って荒野に向かい、長い間セイルの山地を巡った。
02 主は、言った。
03 「だいぶ長い間、この山地を巡った。今から、北に向かって行きなさい。
04 あなたは、民に命じなさい。これから、セイルに住む親族エサウの子孫の領内を通る。だが、彼らはあなたたちに恐れを抱いているから、気をつけなさい。
05 彼らに戦いを挑んではならない。彼らの土地は、片足が踏めるほどの場所でも、あなたたちには与えない。セイルの山地は、すでにエサウの領地として与えたからだ。
06 食物は、彼らに金を払って買って食べ、水も彼らに金を払って飲むようにしなさい」

07 神は、あなたがたの手の業をすべて祝福し、この広大な荒野の旅路を守った。この四十年の間、神が共にいたので、あなたがたは何一つ不足をしなかった。
08 私たちは、セイルに住む親族エサウの子孫を離れた。そして、エイラトとエツヨン=ゲベルからアラバを走る道を避けて向きを変え、モアブの荒野に通ずる道を通った。

09 主は、私に言った「モアブを敵とし、彼らに戦いを挑んではならない。私は、その土地を領地としてあなたには与えない。アルの町は、すでにロトの子孫に領地として与えたからだ。……
10 かつて、そこにはエミム人が住んでいた。強力で数も多く、アナク人のように背の高い民だった。
:11 彼らもアナク人と同様に、レファイム人であると見なされている。モアブの人々は、彼らをエミム人と呼んでいた。
12 セイルには、かつてフリ人が住んでいた。エサウの子孫は彼らを追い払って滅ぼし、代わってそこに住んだ。これは、イスラエルが主から与えられた領地を手に入れたのと同様であった。……

【神の指示】

13 さあ、立ち上がって、ゼレド川を渡りなさい」 私たちは、ゼレド川を渡った。
14 カデス=バルネアを出発してからゼレド川を渡るまで、三十八年かかった。その間に、主が彼らに誓ったとおり、以前からの戦闘員は一人もいなくなった。
15 主の手が彼らに向けられ、陣営に混乱が引き起こされて、彼らは死に絶えたのである。
16 古い戦闘員がこうして皆、民の中から死に絶えた。

17 主は、私に言った。
18 「あなたは、今日、モアブ領アルを通る。
19 アンモン人のいる所に近づくが、彼らに戦いを挑んではならない。私は、アンモン人の土地を領地としてあなたには与えない。それは、すでにロトの子孫に領地として与えたからだ」……
;20 そこも、レファイム人の土地である。レファイム人は、かつてここに住んでいた。アンモン人は、彼らをザムズミム人と呼んでいた。
21 彼らは強力で人数も多く、アナク人のように背が高い民だった。主が彼らを滅ぼしたので、アンモン人は彼らを追い払い、代わってそこに住んだ。
22 それは、セイルに住んでいるエサウの子孫のために、主がしたことと同様である。主は、彼らの前からフリ人を滅ぼしたので、エサウの子孫は彼らを追い払い、代わってそこに住み、今日に至っている。

23 また、カフトル島から来たカフトル人は、ガザとその近くの村落に住んでいたアビム人を滅ぼした。そして、代わってそこに住んだ。……
24 「立ち上がって進み、アルノン川を渡りなさい。私は、ヘシボンの王アモリ人シホンとその国を、あなたの手に渡した。シホンに戦いを挑み、占領を開始しなさい。
25 私は今日、すべての諸国民があなたに脅威と恐れを抱くようにする。彼らは、あなたのうわさを聞いて、震えおののくであろう」

【ヘシボン占領】

26 私は、まずケデモトの荒野からヘシボンの王シホンのもとに友好使節を送って、こう述べさせた。
27 「領内を通過させてください。右にも左にもそれることなく、公道だけを通ります。
28 金を払いますから、食物を売ってください。金を払いますから、水も飲ませてください。徒歩で通過をさせてくだされば、それでよいのです。
29 セイルに住むエサウの子孫や、アルに住むモアブ人が許可してくれたように、ヨルダン川を渡って、私たちの神が与えてくださる土地に行かせてください」

30 しかし、ヘシボン王シホンは、私たちが通過することを許さなかった。神が彼の心を頑なにして、強情にしたからである。なぜならば、今日、彼をあなたの手に渡すためであった。
31 主は、言った「私は、あなたにシホンとその国を与える。それを取るために、占領を始めなさい」
32 シホンは全軍を率いて出撃して、ヤハツで私たちを迎え撃とうとした。
33 神が、彼を私たちに渡したので、私たちはシホンとその子らの全軍を撃ち破った。
34 私たちは、町を一つ残らず占領し、町全体、男も女も子供も滅ぼし尽くして一人も残さなかった。
35 ただ家畜だけを略奪した。それだけが、私たちの占領した町々の戦利品である。

36 川沿いの町、すなわちアルノン河畔のアロエルからギレアドまで、私たちの手に陥らなかった町は一つもなかった。そのすべてを神は、私たちに与えたからだ。
37 ただし、私たちの神が禁じたアンモン人の領地、すなわちヤボク川沿いの全域と山地の町々には近づかなかった。


第三章


【バシャン王オグを殲滅する】

01 私たちは方向転換して、バシャンへの道を進んだ。だから、バシャン王オグは全軍を率いて出撃し、エドレイで私たちを迎え撃とうとした。
02 主は、言った「彼を恐れてはならない。私は、彼とその全軍、その国をあなたの手に渡した。ヘシボンに住むアモリ人の王シホンにしたように、彼にもしなさい」
03 神は、バシャンの王オグをはじめ、その全軍を私たちの手に渡した。私たちはオグを撃ち殺し、ついに一人も残さなかった。
04 そのとき、私たちはすべての町を占領し、奪わなかった町は一つもありませんでした。奪ったのはバシャンにあるオグの王国、アルゴブ全域の六十の町だった。
05 すべて高い城壁で囲まれ、かんぬきで門を固めた要害の町であった。その他、城壁のない村落もたくさん奪ったが、それらは数に入っていない。

06 私たちは、ヘシボンの王シホンにしたように、彼らを滅ぼし尽くした。町全体、男も女も子供もすべてである。
07 ただ、家畜と分捕った物は、すべて自分たちの略奪品とした。
08 そのとき、アルノン川からヘルモン山に至るヨルダン川東岸の二人のアモリ人の王の領土を手中に収めたのである。
09 シドンの住民は、ヘルモン山のことをシルヨンと呼び、アモリ人はセニルと呼んでいる。……
10 そこには、台地にあるすべての町・ギレアド全域・バシャン王オグが治めていた町々・サルカからエドレイに至るバシャン全域を含んでいる。……
:11 バシャン王オグは、レファイム人ただ一人の生き残りであった。彼の床は鉄で作られており、アンモン人ラバのところに今も保存されている。基準アンマで計れば、長さ九アンマ、幅四アンマもあった。……

【占領地の分配】

12 私たちは、この地域をすべて占領した。私は、ルベン族とガド族に、アルノン川沿いにあるアロエルからギレアドの山地の半分、そしてそこにある町々を与えた。
13 マナセ族の半分には、ギレアドの残りの地域とオグ王国のあったバシャン全土、すなわちアルゴブ全域を与えた。そのアルゴブ全域とバシャン全土は、レファイムの地と呼ばれていた。
14 マナセの子ヤイルは、ゲシュル人・マアカ人との国境まで、アルゴブ全域を占領した。そして、バシャンを自分の名にちなんで、「ハボト=ヤイル」と名付けた。それは、今日に至っている。
15 私は、マキルにはギレアドを与えた。
16 ルベン族とガド族には、ギレアドからアルノン川までを与え、川の真ん中を境界とした。さらに東は、ヤボク川がアンモン人との境界となる。

17 ヨルダン川とアラバが西の境界線となる。それはキネレト湖から、その東にピスガ山のすそ野が延びてきてアラバの海、すなわち塩の海に及ぶ。
18 私はそのとき、あなたたちに命じた「神は、この土地をあなたたちの所有地として与えた。戦士たちは皆武装して、同胞イスラエルの子らの先頭に立って渡って行きなさい。
19 しかし、妻子と家畜は、私がすでに与えた町々に残しておきなさい。私は、あなたたちが多くの家畜を持っていることを知っている。
20 主があなたたちと同じく、これらの同胞に安住の地を与え、ヨルダン川の西側で彼らも神が与える土地を得るならば、あなたたちは私がすでに与えた領地に帰ってよろしい」

【モーセはヨルダン川を渡れない】

21 私はそのとき、ヨシュアに命じた「神が、二人の王に対してどうしたかは、あなたはすべて自分の目で見た。主は、あなたがこれから渡って行くすべての王国に対しても、同様にするだろう。
22 彼らを恐れてはならない。神が自ら、あなたたちのために戦ってくださるからだ」
23 私は、そのとき主に祈り求めて言った。
24 「わが主なる神よ、あなたは僕(しもべ)である私に、あなたの大いなること、力強い働きを示しました。あなたのように力ある業をなしうる神が、この天と地のどこにありましょうか。
25 どうか、私にも渡らせてください。そして、ヨルダン川の向こうの良い土地、美しい山、またレバノン山を見せてください」

26 しかし主は、あなたたちのゆえに私に向かって憤り、祈りを聞こうとしなかった。主は、私に言った「もうよい。このことを二度と口にしてはならない。
27 ピスガの頂上に登って、東西南北を見渡すのだ。あなたは、このヨルダン川を渡って行けないのだから、自分の目でしっかりと見ておくがよい。
28 ヨシュアを任務に就け、彼を力づけ、励ましなさい。彼はこの民の先頭に立って、あなたが今見ている土地を、彼らに受け継がせるだろう」
29 私たちはこのようにして、ベト=ペオルの前にある谷に滞在していた。


第四章


【バアルに従った者の殲滅】

01 イスラエルよ。私が教える掟と法を聞いて、実行しなさい。そうすれば、あなたたちは命を得て、先祖の神が与える土地に入り、それを得ることができるだろう。
::02 あなたたちは、私が命じる言葉に何一つ加えることも、減らすこともしてはならない。私が命じるとおりに、神の戒めを守りなさい。
03 あなたたちは、主がバアル=ペオルでしたことを、その目で見たではないか。神は、ペオルのバアルに従った者をすべて滅ぼしたのだ。
04 神につき従ったあなたたちは、今日も生きている。
05 神から命じられたとおり、私があなたたちに掟と法を教えたのは、これから行って得る土地で、それらを行うためである。

06 あなたたちは、それを忠実に守りなさい。そうすれば、諸国の民はあなたたちの知恵と良識を認識して、彼らがこれらすべての掟を聞くとき「この大いなる国民は確かに知恵があり、賢明な民である」と言うであろう。
07 私たちの他に、身近にいつ呼び求めても応えてくれる神を持つ国民がどこにあるだろうか?
08 また私が、今日あなたたちに授けるこのすべての律法のように、正しい掟と法を持つ大いなる国民がどこにいるだろうか?

【ホレブ山で十戒】

09 ひたすらに注意をして、自分のことに十分気をつけなさい。見たことを忘れず、死ぬまで覚えていて、子や孫たちに語り伝えなさい。
10 あなたたちが、ホレブ山で神の前に立った日、主は私に言った「民を私のもとに集めなさい。私の言葉を彼らに聞かせ、彼らが地上に生きる限り、私を畏れることを学び、またそれを子らに教えることができるようになさい」
11 あなたたちが近づいて、山の麓(ふもと)に立つと、山は燃え上がり、火は中天に達し、黒雲と密雲が垂れこめた。

12 主は、火の中から語りかけた。あなたたちは、主が語る声を聞いたが、声の他には何の形も見なかった。
13 主は契約を示し、あなたたちが行うべきことを命じた。それが「十戒」である。主は、それを二枚の石板に書き記した。
14 主はそのとき、渡って行って得ようとしている土地で行うべき掟と法を、あなたたちに教えるようにと、私に命じた。
15 あなたたちは、自らよく注意しなさい。主がホレブ山で火の中から語った日には、あなたたちは何の形も見なかったのです。

【自分のための像を造ってはいけない】

16 堕落をして、どんな形の像も自分のために造ってはならない。男や女の形も。
17 地上のどんな獣の形も。空を飛ぶ翼のあるどんな鳥の形も。
18 地上を這うどんな動物の形も。地下の海に住むどんな魚の形も。
19 また目を上げて天を仰ぎ、太陽・月・星といった天の万象を見て、これらに惑わされ、ひれ伏したり、仕えてはならない。それらは、あなたの神が天の下にいるすべての民に分け与えられたものである。

20 しかし、主はあなたたちを選び出し、鉄の炉のようなエジプトから導き出し、今日のようにご自分の受け継ぐ民としたのである。
21 主はあなたたちのゆえに、私に対して怒った。そして、私がヨルダン川を渡ることも、神から受け継いで与えられる良い土地に入ることも決してないと誓われた。
22 したがって、私はヨルダン川を渡ることなくここで死ぬ。しかし、あなたたちは渡って行って、その良い土地を得る。
23 あなたたちは注意をして、神があなたたちと結ばれた契約を忘れないように、そして神が禁じたどんな形の像も造らぬようにしなさい。

【滅びの予言と改心】

:24 あなたの神は、焼き尽くす火であり、熱情の神である。
25 あなたは、子や孫をもうけ、その土地に慣れて堕落し、さまざまの形の像を造り、神が悪と見なすことを行って怒りを招くであろう。
26 私は今日、あなたたちに対して天と地を呼び出して証言をさせる。あなたたちは、ヨルダン川を渡って得るその土地から速やかに滅び去るだろう。そこに長く住むことは、決してできない。必ず滅ぼされてしまうに違いない。

27 主は、あなたたちを諸国の民の間に散らす。主に追いやられて、その国々で生き残る者はわずかだろう。
28 あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、食べることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるだろう。
29 しかし、そこからあなたの神を求めなければならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うだろう。
30 これらすべてのことが、あなたに臨む終わりの日、苦しみの時に、神のもとに立ち帰り、その声に耳を傾ける。
:31 あなたの神は、憐れみ深い神であり、あなたを見捨てることも滅ぼすことも、あなたの先祖に誓われた契約を忘れることもないからである。

【イスラエルの希望・モーセ第一の戒めの結び】

32 昔むかし、神が地上に人間を創った最初の時代までさかのぼり、天の果てから果てまでを尋ねてみなさい。これほど大きなことが、かつて起こったであろうか。あるいは、そのようなことを聞いたことがあるか?
33 炎の中から語る神の声を聞いて、なお生き長らえた民があったろうか?
34 さらに、エジプトで見たように、さまざまな試みと徴(しるし)と奇跡を行い、戦いと力ある手を伸ばして、恐るべき行為をもって一つの国民を他の国民の中から選び出し、ご自身のものとした神があったであろうか?

35 あなたは、主こそ神であり、他に神はいないということを見て知った。
:36 主は、あなたを訓練するために、天から声を聞かせ、地上には大きな火を示した。あなたは、その火の中から言葉を聞いた。
37 主は、あなたの先祖を愛したので、後の子孫を選んだ。そして、自ら大いなる力をもって、あなたをエジプトから導き出した。
38 神は、あなたよりも強大な国々をあなたの前から追い払い、あなたを導いて、今日のような場所をあなたの受け継ぎの土地としてくれた。

39 あなたは、今日、天上でも地でも主こそが神であり、他には神のいないことをしっかりと考えなさい。
40 そして、私(=モーセ)が命じる主の掟と戒めを守れば、あなたも続く子孫も幸いを得て、あなたの神がとこしえに与えられる土地で長く生きることができる。

【モーセ第二の戒め】

41 その後、モーセはヨルダン川の東側に三つの町を選んだ。
42 計画的ではなく、そうかといって憎しみを抱いていたわけでもないのに、誤って隣人を殺してしまった者のための町である。彼らをそこに逃れさせ、その町の一つで生き延びることができるようにした。
43 それらは、ルベン領の台地の荒野にあるベツェル、ガド領ギレアドのラモト、マナセ領バシャンのゴランである。

44 これから述べることは、モーセがイスラエルの子らに示した律法。
45 イスラエルの子らがエジプトを出たとき、モーセが彼らに告げた定め・掟・法は次のとおり。

46 それは、ヨルダン川の東で、ヘシボンに住むアモリ人の王シホンの領土にあるベト=ペオルの前に広がる谷において行われた。モーセとイスラエルの子らが、エジプトを出た後、撃った王である。
47 その国を占領し、さらにバシャン王オグの国を占領した。つまり、ヨルダン川の東側に住むアモリ人の二つの王国を占領したことになる。
48 その土地は、アルノン川沿いのアロエルからシオン、つまりヘルモン山に及んでいる。
49 そして、ヨルダン川東側のアラバ全域を含み、ピスガ山の裾野(すその)にあるアラバの海に達していた。


第五章


【モーセの発言】

01 モーセは、全イスラエルを呼び集めて言った。「イスラエルよ、聞きなさい。今日、私は掟と法を語り聞かせる。あなたたちはこれを学び、忠実に守りなさい」

【十戒】

02 「神は、ホレブ山で私たちと契約を結んだ。
03 主は、この契約を私たちの先祖と結んだのではなく、今ここに生きている私たち全員と結んだのです。
04 主は、山で炎の中から、あなたたちと顔を合わせて語った。
05 私はそのとき、主とあなたたちの間に立って、主の言葉を告げた。あなたたちが火を恐れて、山に登らなかったからである。主は、言った。

06 『私は主、あなたの神、あなたをエジプト国・奴隷の家から導き出した神。
07 あなたには、私の他に神があってはならない。
08 あなたは、いかなる像も造ってはならない。つまり、上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にあるものの形も造ってはならない。
09 それらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。私は主、あなたの神。私は、熱情の神。私を否む者には、父祖の罪を子孫に対し三代、四代までも問う。
10 反対に私を愛し、私の戒めを守る者には、幾千代にも及ぶ慈しみを与える。

11 神の名をみだりに唱えてはならない。みだりに神の名を唱える者を罰する。
12 神が命じたとおりに安息日を守って、これを聖別しなさい。
13 六日間は働いて、仕事をしなさい。
14 七日目は、神の安息日である。いかなる仕事もしてはならない。あなたも、息子・娘・男女の奴隷・牛・ろば・すべての家畜・門の中に寄留する人々も同様。そうすれば、あなたの男女の奴隷も同じように休むことができる。
15 あなたは、かつてエジプト国で奴隷であったが、あなたの神が力ある手と腕を伸ばして、導き出したことを思い出さなければならない。そのためにも、安息日を守るよう命じたのである。

:16 あなたの父母を敬え。神が、命じたとおりに。そうすればあなたは、神が与える土地に長く生き、幸いを得る。
17 殺してはならない。
18 姦淫してはならない。
19 盗んではならない。
20 隣人に関して、偽証をしてはならない。
21 隣人の妻を欲しがるな。隣人の家・畑・男女の奴隷・牛・ろばなど、隣人のものを一切欲しがってはならない』

22 主は、あなたたちが山に集まったときに、火と雲と暗闇の中から、力強い声をもってこれらの言葉を告げた。それには、何も加えなかった。そしてさらに、二枚の石板の上に書いて、私に授けた」

【モーセの仲立ち】

23 「山は炎に包まれて燃え上がり、暗闇から轟(とどろ)く声を聞いた。そのとき、あなたたちの部族の長と長老は皆、私のもとに来た。
24 そして、言った『私たちの神は、大いなる栄光を示した。私たちは今日、炎の中から神の声を聞いた。神が人に語りかけても、人が生きているということを、今日私たちは知ったのです。
25 しかし、これ以上の死の危険に身をさらせましょうか。この大きな炎が、私たちを焼き尽くそうとしています。さらに、私たちが神の声を聞くならば、死んでしまいます。
26 いったい誰が、炎の中から語りかける神の声を私たちと同じように聞いて、生き続けていられるのでしょうか?

27 どうか、あなた一人で神のもとに行って、その言うことをすべて聞いてください。そして、神があなたに告げたことを私たちに語ってください。私たちは、それを聞いて実行します』

28 あなたたちが私に語ったとき、主はその言葉を聞いて、私に言った『民があなたに語ったことを聞いたが、彼らの言うことはもっともである。
29 彼らが生きている限り私を畏れ、私の戒めをことごとく守る心を持ち続け、彼らも、子孫もとこしえに幸いを得るようにしなさい。
30 そしてあなたは、彼らのもとに行って、それぞれの天幕に帰れと命じなさい。
31 あなただけは、ここに止(とど)まって、私と共にいなさい。私は、あなたに戒めと掟と法をすべて語り聞かせる。あなたはそれを彼らに教え、彼らは私が与える土地においてそれを行う』」

【神が命じた道】

32 「あなたたちは、神が命じられたことを忠実に行いなさい。右にも左にも、それてはならない。
33 神が命じた道を完全に守りなさい。そうすれば、命と幸いを得て、あなたたちが得る土地に長く生きることができる」


第六章


【掟と戒めを忠実に守れ】

01 これは、神が教えよと命じた戒めと掟と法であり、渡って行って得る土地で行うべきもの。
02 あなたも子孫も、生きている限り神を畏れなさい。すべての掟と戒めを守って、長く生きるためである。
03 イスラエルよ、よく聞いて、忠実に行いなさい。そうすれば、幸いを得て、父祖の神が約束したとおり、乳と蜜の流れる土地で大いに増えるだろう。

【シェマ(朝・夕の祈り)】

04 聞きなさい。イスラエルよ。神は、唯一の主である。
05 あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、神を愛しなさい。
06 今日、私が命じるこれらの言葉を心に留め、
:07 子供たちには繰り返して教え、家に座っているときも、道を歩くときも、寝ているときも、起きているときも、これを語り聞かせなさい。
08 さらに、これを徴(しるし)として自分の手に結び、覚えとして額に付け、
09 家の戸口の柱にも、門にも書き記しなさい。

10 神が、先祖アブラハム・イサク・ヤコブに対して、与えると誓った土地にあなたを導き入れ、あなたが自ら建てたのではない、大きな美しい町々、
11 自ら満たしたのではない財産で満ちた家、自ら掘ったのではない貯水池、自ら植えたのではないぶどう畑とオリーブ畑を得て、食べて満足するとき、
12 あなたをエジプト国、奴隷の家から導き出した主を、決して忘れないよう注意しなさい。
13 神を畏れ、主にのみに仕え、その名によって誓いなさい。

【忠実であれば幸いである】

14 他の神々、周辺諸国民の神々に従ってはならない。
15 あなたの神は、熱情の神である。神の怒りが、あなたに向かって燃え上がり、あなたは地の面から滅ぼされないように注意しなさい。
16 あなたたちがマサにいたときにしたように、神を試(こころ)みてはならない。
17 神が命じた戒めと定めと掟をよく守り、
18 主の目にかなう正しいことを行いなさい。そうすれば、あなたは幸いを得て、主が先祖に誓った良い土地に入って、それを征服して、
19 主が約束したとおり、あなたの前から敵をことごとく追い払うことができる。

20 将来、あなたの子が「神が命じたこれらの定めと掟と法は、何のためですか?」と尋ねたときには、
21 こう答えなさい「私たちはエジプトで、ファラオの奴隷であった。しかし、主は力ある手で私たちをエジプトから導き出した。
22 主は、私たちの目の前で、エジプトとファラオの宮廷全体に対して、大きな恐ろしい徴(しるし)と奇跡を行い、
23 私たちをそこから導き出した。そして、私たちの先祖に誓ったこの土地に導き入れ、それを私たちに与えた。

24 主は、私たちにこれらの掟をすべて行うように命じ、神を畏れるようにし、今日あるように、常に幸いに生きるようにしてくれた。
25 私たちが命じられたとおり、神の前でこの戒めをすべて忠実に行うよう注意するならば、私たちは報いを受ける」


第七章


【敵を滅ぼす理由とイスラエルが選ばれた理由】

01 これから行って所有する土地に、神があなたを導き入れる。そして、あなたに勝る数と力を持つ七つの民、ヘト人・ギルガシ人・アモリ人・カナン人・ペリジ人・ヒビ人・エブス人をあなたの前から追い払う。
02 あなたが意のままに、彼らを撃つときは、必ず滅ぼし尽くさなければならない。彼らを生かして、協定を結んではいけない。また、殺すときに彼らを憐れんでもいけない。
03 むろん、彼らと縁組みをしたり、あなたの娘をその息子に嫁がせたり、娘をあなたの息子の嫁に迎えたりしてはならない。
04 なぜならば、あなたの息子を引き離して私に背かせ、ついに他の神々に仕えるようになる。そして、主の怒りがあなたたちに対して燃え、主はあなたを速やかに滅ぼすからである。

:05 彼らの祭壇を倒し、石柱を砕き、アシェラの像を粉々にし、偶像を火で焼き払いなさい。
06 あなたは、あなたの神の聖なる民である。あなたの神は、地の面にいるすべての民の中からあなたを選んで、自分の宝の民とした。
::07 主が、心を引かれてあなたたちを選んだ理由は、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは、どの民よりも貧弱であったからだ。
08 主の愛と先祖に与えた誓いを守ったゆえに、主は力ある手をもってあなたたちを導き出し、エジプトの王ファラオが支配する奴隷の家から救い出したのである。

【神を愛する者は祝福される】

09 あなたの神が、信頼すべき神であることを知らなければならない。神を愛して戒めを守る者に対しては、千代にわたって契約を守り、慈しみを注ぐ。
10 しかし、神を否む者には、それぞれに報いて滅ぼす。主は、神を否む者には、ためらうことなく各自に報いる。
11 あなたは、私が「行え」と命じた戒めと掟と法を守らなければならない。
12 あなたたちが法に聞き従い、それを忠実に守るならば、あなたの神は先祖に誓った契約を守り、慈しみを注ぐ。
13 そして、あなたを愛し、祝福し、数を増す。主は、あなたに与えると先祖に誓った土地で、あなたたちから生まれる子と、土地の実りである穀物、新しいぶどう酒、オリーブ油など、さらに牛・羊の子を祝福する。

14 あなたは、すべての民の中で最も祝福される。あなたたちのうちに、子のない男や女はいない。家畜にも、子のないものはない。
15 主は、あらゆる病気からあなたを守る。あらゆる重いエジプトの病気にかからせない。逆に、あなたを憎むすべての者に対して病を下す。
16 神は、あなたに渡す諸国の民をことごとく滅ぼす。彼らに憐れみをかけてはならない。彼らの神に、仕えてはならない。そのようなことは、あなたたちを捕らえる罠となるからだ。

【敵に対する神のアドバイス】

17 「あの国の民は、こちらよりも多い。どうして彼らを追い払うことができるのか?」と考えるときに、
18 彼らを恐れることなく、神がファラオとエジプトの全土に対してしたことを思い出しなさい。
19 目撃をしたあの大いなる試み、あなたを導き出した神の徴(しるし)と奇跡、力ある手と伸ばした腕で行ったことを思い出しなさい。神は、あなたが恐れているすべての民に同じことをする。
20 神は、彼らも恐れるようにする。そして、生き残って隠れている者さえも滅ぼし尽くす。

.21 彼らに対して、うろたえてはならない。神は、あなたの中にいる畏るべき神だからである。
22 あなたの神は、それらの国々を徐々に追い払う。彼らを、一気には滅ぼしてしまわない。野の獣が増えて、あなたを害さないためである。
23 神は、彼らをあなたに渡して、大混乱に陥れ、ついには滅亡させる。
24 彼らの王たちは、あなたの手に渡される。そして、あなたはその名をこの世から滅ぼし尽くす。誰一人、あなたに立ち向かうことができずに、ついには滅亡する。

【厭うべきもの】

25 彼らの神々の像は、火に投じて焼きなさい。その銀や金に目を奪われて、それを取っておいてはいけない。罠に陥ることがないためである。それは、あなたの神の厭(いと)うことである。
26 厭うべきものを自分の家に持ち込んではならない。もしもそうすれば、あなたも同様に滅ぼし尽くされる。それを憎むべきものとして徹底的に厭い、退けなさい。それは、滅ぼし尽くされるべきものである。


第八章


【荒野の教訓】

01 私が命じた戒めを、すべて忠実に守りなさい。そうすれば、あなたたちは命を得る。そして、その数は増え、主が先祖に誓った土地に入り、それを取ることができる。
02 神が導いた四十年の荒野の旅を思い出しなさい。主は、あなたを苦しめて試し、あなたの心にある神の戒めを守るかどうかを知ろうとした。
:03 あなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせた。人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることを知らせるためである。
04 この四十年間、あなたの纏(まと)う着物は古びず、足が腫(はれ)ることもなかった。

::05 あなたは、人が自分の子を訓練するように、神があなたを訓練したことを心に留めなさい。
06 神の戒めを守り、主の道を歩み、神を畏れなさい。

【約束の地における忠告】

07 神は、あなたを良い土地に導き入れようとしている。それは、平野にも山にも川が流れ、泉が湧き、地下水が溢れる土地。
08 小麦・大麦・ぶどう・いちじく・ざくろが実る土地。オリーブの木と蜜のある土地である。
09 不自由なくパンを食べることができて、何一つ欠けることのない土地。石には鉄を含み、山からは銅が採れる土地である。
10 食べて満足ができる良い土地を与えてくれた神を讃えなさい。
11 私が、命じる戒めと法と掟を守らなかったり、神を忘れることのないように、注意しなさい。

12 あなたが食べて満足し、立派な家を建てて住み、
13 牛・羊が殖え、銀・金が増し、財産が豊かになって、
14 心が奢(おご)ったり、神を忘れることのないようにしなさい。主は、あなたをエジプト国、奴隷の家から導き出した。
15 炎の蛇・蠍(さそり)のいる、水がなくて渇いた広くて恐ろしい荒野を行かせたり、硬い岩から水を湧き出させた。
16 そして、先祖が味わったことのないマナを荒野で食べさせた。それは、あなたを苦しめて試し、ついには幸福にするためである。

17 あなたは「自分の力と手の働きで、この富を築いた」などと、考えてはならない。
18 そのようなときは、神を思い出しなさい。富を築く力を与えたのは主であり、主が先祖に誓った契約を果たして、今日のようにしたのである。
19 もしもあなたが、あなたの神を忘れて他の神々に従い、それに仕えてひれ伏すようなことがあれば、あなたたちは必ず滅びると、ここに私は証言をする。
20 あなたたちの前から、すでに滅ぼされた国々と同じように、あなたたちも神の声に聞き従わない場合は、滅び去るであろう。


第九章


【謙遜のすすめ】

01 聞け、イスラエルよ。今日、ヨルダン川を渡って、あなたよりも大きく強い国々を追い払おうとしている。町々は大きく、城壁は天に達する。
:02 その民は、アナクの子孫で大きく、そして背が高い。あなたは「誰がアナクの子孫に立ち向かうことができようか?」という言葉を聞いたことがあろう。
03 しかし、今日、あなたの神は、焼き尽くす火となる。あなたの先に立って渡り、彼らを滅ぼして、あなたの前に屈服させる。そのことを知りなさい。言ったとおりに、彼らを追い払い、速やかに滅ぼしなさい。
04 彼らを追い出したときに「私が正しいので、主が私を導いて、この土地を得させてくれた」と思ってはならない。この国々の民が神に逆らうゆえに、主があなたの前から彼らを追い払ったのである。

05 あなたが正しくて、心がまっすぐであるから、彼らの土地を得るのではない。この国々の民が神に逆らうから、あなたの神が彼らを追い払ったのである。またこうして、主はあなたの先祖、アブラハム・イサク・ヤコブに誓ったことを果たすのである。
06 あなたが正しいので、あなたの神がこの良い土地を与え、それを得させてくださるのではないことをわきまえなさい。あなたたちは、頑(かたくな)な民であるからだ。

【過去の歴史を懐古する】

07 あなたは、荒野で神を怒らせたことを思い出して、忘れてはならない。あなたたちは、エジプト国を出た日からここに来るまで、主に背き続けてきたのだ。
08 ホレブ山では主を怒らせたので、主はあなたたちに向かって激しく憤り、すべて滅ぼそうとした。
:09 私が石板、すなわち主があなたたちと結んだ契約の板を受け取るために山に登ったとき、私は四十日・四十夜、山に止(とど)まってパンも食べず、水も飲まなかった。
10 主は、神の指で記した二枚の石板を私に授けた。その上には、集会の日に、主が山で火の中からあなたたちに告げた言葉が、すべて記されていた。
11 四十日・四十夜が過ぎて、主は私にその二枚の石板、契約の板を授けた。

12 そのとき、主は私に言った「すぐに立って、ここから下りなさい。エジプトから導き出した民が堕落し、早くも私が命じた道から反(そ)れて、鋳像を造った」
:13 主は、さらに私に言った「私はこの民を見てきたが、実に頑(かたく)なな民である。
;14 私を引き止めるな。私は彼らを滅ぼし、天の下からその名を消し去ろう。そして、あなたを彼らより強く、数の多い国民とする」
15 私が、身を翻して山を下ると、山は火に包まれて燃えていた。私は、両手に二枚の契約の板を持っていた。
16 私が見たのは、あなたたちが神の前に罪を犯し、子牛の鋳像を造って、早くも主の命じた道から反れている姿だった。
17 私は、両手に持っていた二枚の板を投げつけ、あなたたちの目の前で砕いた。

【背き続ける民】

18 主の目に、悪と見なされることを行って罪を犯し、主を憤らせたすべての罪のゆえに、私は前と同じように、四十日・四十夜、パンも食べず水も飲まず、主の前にひれ伏した。
19 私は、主が激しく怒りに燃えたので、あなたたちを滅ぼすのではないかと恐れた。しかし主は、このときも私に耳を傾けてくださった。
20 主は、アロンに対して激しく怒り、滅ぼそうとした。私は、アロンのために祈った。
21 そして、あなたたちの罪、あなたたちが造った子牛を取り上げて火に投じ、粉々に砕いて塵とした。さらに、その塵を山から流れる川に投げ捨てた。
22 あなたたちは、タブエラ・マサ・キブロト=ハタアワでも、主を怒らせた。

23 主が、カデス=バルネアからあなたたちを遣わし「向かって行って、私が与える土地を取りなさい」と言ったときも、命令に背いて、主を信頼せずに、その声に聞き従わなかった。
24 主があなたたちを選んで以来、あなたたちはずっと背き続けてきた。

【モーセの神に対する思慮】

25 私は、四十日・四十夜、主の前にひれ伏した。主が、あなたたちを滅ぼすと言ったからである。ひれ伏して、
26 主に祈って言った「主なる神よ。あなたが大いなる業をもって救い出し、力強い手をもってエジプトから導き出したこの受け継ぐ民を滅ぼさないでください。
27 あなたの僕(しもべ)、アブラハム・イサク・ヤコブを思い出し、この民の頑なさ・逆らい・罪に顔を向けないでください。
28 私たちが導かれて出て来た国の人々に『主は、約束した土地に彼らを入れることができなかった。主は彼らを憎み、荒野に連れ出して殺してしまった』と、言われないようにしてください。
29 私たちは、あなたが大いなる力と伸ばされた腕をもって導き出されたあなたの受け継ぐ民なのですから」


第十章


【石板と櫃】

01 そのとき、主は私に言った「あなたは、前と同じように、石を切って板を二枚造り、山に登って私のもとに来なさい。また、木の箱を作りなさい。
02 私は、あなたが前に砕いた板に書かれていた言葉をその板に書き記す。あなたは、それを箱に納めるがよい」
03 私は、アカシアの木で箱を作り、石を切って前と同じように二枚の板を造り、それを手に携えて山に登った。
04 主は、集会の日に山で火の中からあなたたちに告げた十戒とまったく同じものを板に書き記し、それを私に授けた。
05 私は、身を翻して山を下り、あらかじめ作っておいた箱に板を納めた。それは今も、主が私に命じたとおり、そこにある。

【アロンの死とレビ族】

06 イスラエルの子らはその後、ベエロト・ベネ・ヤアカンを発ってモセラに向かった。アロンは、そこで死んで埋葬された。その子エルアザルが、代わって祭司となった。
07 彼らはそこを発ち、グドゴダに向かった。さらに、グドゴダを発って、川が幾つも流れる土地ヨトバタに向かった。

08 そのとき、主はレビ族を選び分けた。そして、契約の箱を担ぎ、主の前に立って仕え、主の名によって祝福するようにした。それは、今日まで続いている。
09 それゆえレビ族には、兄弟たちと同じような受け継ぐ割り当てがない。神が言ったとおり、主ご自身がその受け継ぎなのである。
10 私は、前と同じように、四十日・四十夜、山に止まっていた。このときも主は私に耳を傾けてくださり、あなたを滅ぼそうとはしなかった。
11 主は、私に言った「立って、民を先導して進みなさい。彼らは、私が先祖に与えると誓った土地に入り、それを得る」

【従順と愛】

12 イスラエルよ。今、神があなたに求めていることは何か? ただひたすらに、神を畏れて、そのすべての道に従って歩みなさい。主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神に仕えなさい。
13 そして、私が今日あなたに命じる主の戒めと掟を守って、あなたが幸いを得ることではなかろうか。

14 天と、その天の天、地と地にあるすべてのものも、神のものである。
15 主は、あなたの先祖に心引かれて彼らを愛し、子孫であるあなたたちをすべての民の中から選んで、今日のようにしてくださった。
:16 心の包皮を切り捨てよ。二度と頑なになってはならない。
::17 あなたたちの神は、神々の中の神、主なる者の中の主、偉大にして勇ましく畏るべき神、人を偏り見ず、賄賂を取ることもしない。
18 さらに、孤児と寡婦の権利を守り、寄留者を愛して食物と衣服を与える。

【寄留者を愛する理由】

19 あなたたちは、寄留者を愛しなさい。あなたたちが、エジプト国で寄留者だったからだ。
20 あなたの神を畏れ、主に仕え、主につき従って、その名によって誓いなさい。
21 この方こそ、あなたの賛美、あなたの神であり、あなたの目撃した大いなる恐るべきことをあなたのために行ったのである。
:22 あなたの先祖は、七十人でエジプトに下った。それが、今や、神はあなたを天の星のように数多くした。


第十一章


【乳と蜜の流れる国へ】

01 あなたの神を愛し、その命令・掟・法・戒めを常に守りなさい。
02 あなたたちは、神の訓練を知ることも見ることもない子孫たちとは違う。そのことを、知らなければならない。その大いなる業、強い手と伸ばされた腕。
03 エジプトの中で、エジプト王ファラオとその全土に対してなさった徴(しるし)と業(わざ)。
04 エジプト軍、その馬と戦車に対してしたこと。彼らが、あなたたちを追撃して来たとき、主が彼らの上に葦の海の水を溢れさせて滅ぼし、今日に至っていること。
05 あなたたちが、ここに来るまでに、主が荒野でしたこと。

06 また、ルベンの孫でエリアブの子であるダタン・アビラムにしたこと。大地が口を開けて、彼ら・その家・天幕、全イスラエルの中で彼らと行動を共にした者をすべて呑み込んだことなど。
07 主のした大いなる業をすべて、あなたたちは自分の目で見た。

08 あなたたちは、私が命じるすべての戒めを守りなさい。そして、勇ましくなり、川を渡って得ようとしている土地に首尾よく入って、それを得ることができる。
09 主が、あなたたちの先祖に、彼らとその子孫に与えると誓った土地、すなわち乳と蜜の流れる土地で、あなたたちは長く生きることができる。

【従順であるべき理由】

10 あなたが得ようとしている土地は、前にいたエジプトの土地とは違う。エジプトでは種を蒔くと、野菜畑のように、自分の手足で水をやる必要があった。
11 しかし、これから得ようとする土地は、山も谷もある土地で、天から降る雨で潤(うるお)う。
12 そこは、神が心にかけ、年の初めから終わりまで、いつも目を注いでいる土地である。
13 私が、今日あなたたちに命じる戒めに、ひたすら聞き従って、神を愛し、心を尽くし、魂を尽くして仕えなさい。
14 そうすれば、その季節ごとに、あなたたちの土地に、春の雨や秋の雨が降る。そして、あなたには穀物・新しいぶどう酒・オリーブ油などの収穫がある。
15 家畜のためには、野に草が生える。あなたは、食べて満足をする。

16 あなたたちは、心変わりをして主を離れ、他の神々に仕えてしまって、それにひれ伏さぬよう、注意をしなさい。
17 そうしないと、主の怒りがあなたたちに向かって燃え上がって、天を閉ざすであろう。雨が降らず、大地は実りをもたらさなくなって、あなたたちは主が与える良い土地から、すぐに滅び去る。

【子供たちに伝える】

18 あなたたちは、これらの私の言葉を心に留め、魂に刻みなさい。そしてさらに、徴(しるし)として手に結び、覚えとして額に付けなさい。
19 子供たちにもそれを教え、家に座っているときも、道を歩くときにも、寝ているときも、起きているときにも、語り聞かせなさい。
20 その上、家の戸口の柱にも、門にも書き記しなさい。

21 こうして、主が先祖に与えると誓った土地にいると、あなたたちとあなたたちの子孫の日数は、天が地を覆う日数と同様に、いつまでも続くだろう。
22 もしも、あなたたちに命ずる戒めをすべてよく守り、神を愛してそのすべての道に忠実に進んで、主に従うならば、
23 主は、あなたたちの前から敵の国々をすべて除いて、自分たちよりも大きく強い国々を追い払うことができる。
24 あなたたちが足の裏で踏み込む土地は、全部があなたたちのものとなり、荒野からレバノン山まで、ユーフラテス川から西の海までが領地となる。
25 すると、あなたたちに立ち向かうことのできる者は、もはや一人もいない。足を踏み入れた土地の至るところに、神が敵に対して、脅威とおののきを起こすからだ。

【祝福と呪い】

26 私は今日、あなたたちの前に祝福と呪いを与えよう。
27 あなたたちは、私が命じる神の戒めに聞き従うならば、祝福を受ける。

28 しかし、神の戒めに聞き従わず、私が命じる道を反(そ)れて、今までは知らなかった他の神々に従うならば、呪いを受ける。
29 あなたが得ようとしている土地に、あなたの神が導き入れたときには、ゲリジム山に祝福をして、エバル山には呪いを与えなさい。
30 この二つの山は、ヨルダン川の西のアラバに住むカナン人の領内を貫く街道のさらに西方にある。そして、ギルガルの前方、モレの樫の木の近くだ。
31 いま、あなたたちはヨルダン川を渡り、神が与える土地に入って、それを得ようとしている。そして、それを得てそこに住むときには、
32 私が、あなたたちに授けるすべての掟と法を、忠実に守らなければならない。


第十二章


【敵の神の扱いと自分たちの神】

01 これから述べる掟と法は、あなたの先祖の神があなたに与えた土地で、あなたたちが生きている限り、忠実に守るべきものである。
02 あなたたちの追い払おうとしている国々の民が、彼らの神々に仕えてきた場所は、高い山・丘の上・茂った木の下でも、すべて破壊をしなさい。
03 祭壇を壊し、石柱を砕き、アシェラ像を火にくべなさい。さらに、彼らの神々の彫像を切り倒して、その名をその場所から消し去りなさい。

04 あなたたちの神に対しては、それらの国々の民と、同じ扱いをしてはならない。
05 必ず、あなたたちの神がその名を置くために全部族の中から選ばれる場所、すなわち主の住まいを尋ねて、そこへ行きなさい。
06 全焼の供え物・生け贄・十分の一の供え物・収穫物の供え物・満願の供え物・随意の供え物・牛や羊の初子などをそこに携えて行って、
07 神の前で家族と共に食べ、あなたたちの労働をすべて喜び祝いなさい。神は、あなたを祝福している。
;08 あなたたちは、今まで自分たちが正しいと見なしてきたが、これからはそうしてはならない。

【安住の地での崇拝の仕方】

09 神が与える安住の地、受け継ぐ土地に、あなたたちはまだ入っていない。
10 ヨルダン川を渡り、神が受け継がせる土地に住み、周囲の敵から守られ、安らかに住むようになったならば、次のことをしなさい。
11 神が、その名を置こうと選んだ場所に、私の命じるすべてのもの、すなわち全焼の供え物・生け贄・十分の一の供え物・収穫物の供え物・および主に対して誓いを立てたすべての最良の満願の供え物を携えて行きなさい。
12 そして、神の前で、息子・娘・男女の奴隷・町の中に住むレビ族と共に、喜び祝いなさい。レビ族には、受け継ぐ割り当てがないからである。

13 あなたは、自分の好き勝手な場所で、全焼の供え物を捧げてはいけない。
14 主が選んだ場所だけで、全焼の供え物を捧げることができる。私が命じることをすべて、そこで行わなければならない。

【掟の詳細】

15 どの町でも、神が与える祝福によって、欲しいだけ獣を屠り、その肉を食べることができる。かもしか・鹿を食べる場合のように、不浄な者も清い者も食べてよい。
16 ただし、その血は食べてはならない。血は、水のように地面に注がなければならない。
17 穀物・新しいぶどう酒・オリーブ油などの十分の一の供え物・牛や羊の初子・誓いを立てた満願の供え物・随意の供え物・収穫物の供え物などは、自分の町の中で食べてはいけない。
18 それらは、神の前の選ばれた場所で、息子・娘・男女の奴隷・町の中に住むレビ族と共に食べなさい。そして、主の前であなたの手の働きすべてを喜び祝いなさい。

19 生きている限り、レビ族を見捨てないように注意をしなさい。
20 約束されたとおり、神があなたの領土を広げるときに、肉が食べたいと言うなら、欲しいだけ肉を食べることができる。
21 神の名を置くために選ばれる場所が遠く離れているならば、私が命じたとおりにして、主が与えた牛・羊を屠り、自分の町で欲しいだけ食べることができる。
22 かもしか・鹿を食べる場合のように食べることができる。不浄な者も清い者も、その肉を食べることができる。
:23 しかし、その血を食べてはならない。血は命であり、命を肉と共に食べてはならないからである。
24 血は食べることなく、水のように地面に注がなければならない。

25 主が正しいと見なされることを行うなら、あなたも子孫も幸いを得るだろう。
26 あなたは、捧げるべき聖なる供え物と満願の供え物を携えて、主の選んだ場所に行かなければならない。
27 全焼の供え物の場合は、肉も血もあなたの神の祭壇に捧げる。その他の生け贄(いけにえ)は、血をあなたの神の祭壇の周りに注ぎ、肉は食べることができる。
28 私が命じるこれらをすべて守りなさい。神がOKとし、正しいと見なすことを行うなら、あなたも子孫も永久に幸せになれる。

【敵の宗教を避けなさい】

29 あなたが追い払おうとしている国々の民を、あなたの神が絶やし、あなたがその領土を得て、そこに住むようになるなるときには、
30 注意をしなさい。彼らが滅ぼされた後に、彼らの罠に陥らないようにしなさい。「この国の民は、どのような神々に仕えていたのだろう。私も、同じようにしてみよう」などと言って、彼らの神々を調べることのないようにしなさい。
31 あなたの神に対しては、彼らと同じことをしてはならない。彼らは主が厭(いと)い、憎んでいるあらゆることを神々に行って、その息子、娘さえも火に投じて神々に捧げたのである。


第十三章


【敵の偶像崇拝に誘われたとき】

01 あなたたちは、私が命じることをすべて忠実に守りなさい。それに何一つ加えたり、減らしてはダメ。
02 預言者や夢占いをする者が現れて、徴(しるし)や奇跡を示すだろう。
03 そして、その徴(しるし)や奇跡が言ったとおりに実現をしたとき「今まで知らなかった他の神々に従い、これに仕えようではないか」と誘われても、
04 その預言者や夢占いをする者の言葉に耳を貸してはならない。あなたたちの神は、あなたたちを試し、心を尽くし、魂を尽くし、神を愛するかどうかを知ろうとするからである。
05 あなたたちの神に従い、これを畏れ、その戒めを守り、声を聞いて仕え従わなければならない。

06 その預言者や夢占いをする者は、死罪にあたる。彼らは、エジプト国から導き出し、奴隷の家から救い出してくれた神に背くように勧め、神が歩むようにと命じた道から、迷わせようとするからである。あなたは自分の中から、悪を取り除かなければならない。
07 同じ母の子である兄弟・息子・娘、愛する妻、あるいは親友に「先祖も知らなかった他の神々に従い、これに仕えようではないか」と秘かに誘われても、
08 その神々が近隣諸国の民の神々であっても、地の果てから果てに至る遠い国々の神々であっても、
09 誘惑する者に耳を貸すな。憐れみの目を注いで同情をしたり、かばったりしてもならない。

10 そのような者は、必ず殺さなければならない。彼を殺すには、まずあなたが手を下し、民が皆それに続く。
11 エジプト国、奴隷の家から導き出した神から離して迷わせようとしたのだから、彼を石で打ち殺さなければならない。
12 全イスラエルはこれを聞いて恐れを抱き、あなたの中でこのような悪事は二度と繰り返さないであろう。

【他の神の噂を聞いたとき】

13 神が、あなたに与えて住まわせる町の噂として、
14 ならず者が現れて「今までに知らなかった他の神々に従い、これに仕えようではないか」と言って、その町の住民を迷わせているということを聞いたならば、
15 それを尋ね、調べ、よく問い正さなければならない。それが確かな事実であり、そのような厭うべきことが行われたのであれば、
16 その町の住民を剣にかけて殺し、町もそこにあるものもすべて滅ぼし尽くし、家畜も剣で殺さなければならない。

17 分捕り品は、すべて広場の中央に集め、それとともに町全体を焼き払って、完全に全焼の供え物としなければならない。その町は、永久に廃虚となって、再び建てられてはならない。
18 主が激しい怒りをしずめ、先祖たちに誓ったとおり、憐れみをもってあなたの数を増やすように、その滅ぼし尽くすべきものは、何一つ手もとに止めてはならない。
19 神の声に聞き従い、私が今日命じるすべての戒めを守り、神が正しいと見なされることを行いなさい。


第十四章


【偶像崇拝に準じた行為】

01 あなたたちは、神の子らである。死者を悼むために体を傷つけたり、額をそり上げてはならない。
02 あなたは、神の聖なる民である。主は、地の面のすべての民の中からあなたを選んで、ご自分の宝の民とした。

【清い動物・不浄な動物】

03 厭うべきものは、食べてはいけない。
04 食べてよい動物は、次のとおり。牛・羊・やぎ・
05 雄鹿・かもしか・子鹿・野やぎ・くじか・大かもしか・ガゼル。
06 その他 蹄(ひづめ)が分かれて、完全に二つに割れていて、しかも反芻(はんすう)する動物は食べてよい。
07 ただし、反芻するだけか、あるいは蹄が分かれただけの動物は食べてはならない。らくだ・野兎(のうさぎ)・岩狸(いわだぬき)は反芻するが、蹄が分かれていないから汚れたものである。
08 猪(いのしし)。これは蹄が分かれているが、反芻しないから汚れたもの。それらの動物の肉は、食べてはならない。死骸に触れてもいけない。

09 水中の魚類のうち、鰭(ひれ)、鱗(うろこ)のあるものは、すべて食べてよい。
:10 しかし、鰭や鱗のないものは、一切食べてはならない。それは、汚れたものである。

11 清い鳥は、すべて食べてよい。@@@
12 しかし、次の鳥は食べてはならない。禿鷲・ひげ鷲・黒禿鷲・
13 赤鳶・隼・鳶の類・
14 烏の類・
15 鷲みみずく・小みみずく・虎ふずく・鷹の類・
16 森ふくろう・大このはずく・小きんめふくろう・
17 このはずく・みさご・魚みみずく・
18 こうのとり・青鷺の類・やつがしら鳥・こうもり。

:19 羽のある昆虫はすべて汚れたものであり、食べてはならない。
:20 飛ぶものの中で清いものは、すべて食べてよい。
21 自然死した動物は、一切食べてはならない。町の中にいる寄留者に与えて食べさせるか、外国人に売りなさい。あなたは、神の聖なる民である。あなたは子山羊をその母の乳で煮てはならない。

【十分の一税とレビ族・寄留者・孤児・寡婦】

22 あなたは、毎年、畑に種を蒔いて得る収穫物の中から、必ず十分の一を取り分けなければならない。
23 神の名を置くために選んだ場所で、あなたは穀物・新しいぶどう酒・オリーブ油の十分の一・牛・羊の初子を食べ、常に神を畏れることを学ばなければならない。
24 神があなたを祝福しも、あなたの神がその名を置くために選んだ場所が遠く離れ、その道のりが長いため、収穫物を携えて行くことができないならば、
25 それを銀に換えて、しっかりと持ち、あなたの神の選ばれる場所に携え、
26 銀で望みのもの、すなわち、牛・羊・ぶどう酒・濃い酒、その他何でも必要なものを買い、あなたの神の前で家族と共に食べて、喜び祝いなさい。

27 町の中に住むレビ族を見捨ててはならない。レビ族には、受け継ぐ割り当てがないからである。
28 三年目ごとに、その年の収穫物の十分の一を取り分け、町の中に蓄えておきなさい。
29 それは、受け継ぐ割り当てのないレビ族や、町の中にいる寄留者・孤児・寡婦のためである。彼らが、それを食べて満ち足りるようにしなさい。そうすれば、あなたの行うすべての手の業について、神はあなたを祝福するであろう。


第十五章


【七年目ごとの免除】

01 七年目ごとに、負債を免除しなさい。
02 負債免除のしかたは、次のとおり。誰でも隣人に貸した者は、すべて負債を免除しなければならない。同胞である隣人から、取り立ててはならない。主が負債の免除の布告をしたからである。
03 外国人からは取り立ててもよいが、同胞である場合には負債を免除しなければならない。
04 あなたの神は、あなたに受け継ぎとして与える土地において、必ずあなたを祝福されるから、貧しい者はいなくなる。
05 そのために、あなたは神の声に必ず聞き従い、今日あなたに命じるこの戒めをすべて忠実に守りなさい。

06 あなたに告げたとおり、あなたの神はあなたを祝福する。そして、多くの国民に貸すようになるが、借りることはない。多くの国民を支配するようになるが、支配されることはないだろう。

07 神が与える土地で、どこかの町に貧しい同胞が一人でもいるならば、その貧しい同胞に対して心を頑なにせず、手を閉ざすことなく、
08 彼に対して手を大きく開いて、必要とするものを十分に貸し与えなさい。
09 「七年目の負債免除の年が近づいた」と邪(よこしま)な考えで、貧しい同胞を見捨て、物を断ることのないようにしなさい。もしも、その同胞があなたを主に訴えるならば、あなたは罪に問わるだろう。
10 彼には、必ず与えなさい。与えるとき、心に未練があってはならない。あなたの神は、あなたの手の働きすべてを祝福する。

11 この国から、貧しい者がいなくなることはないだろう。それゆえ、私は命じる。この国に住む同胞のうち、生活に苦しむ貧しい者に手を大きく開きなさい。

【奴隷の解放】

12 同胞のヘブライ人の男あるいは女が、あなたのところに売られて来て、六年間奴隷として仕えたならば、七年目には自由の身として去らせなければならない。
13 自由の身としてあなたのもとを去らせるときは、何も持たさないで去らせてはならない。
14 あなたの羊の群れと麦打ち場と酒ぶねから、惜しみなく贈り物を与えなさい。それは、神が祝福したものだから、彼に与えなさい。

15 エジプト国で奴隷であったあなたを、神が救い出したことを思い出しなさい。それゆえ、私は今日、このことを命じるのである。
16 もしその奴隷が、あなたとあなたの家族を愛し、あなたと共にいることを喜び「私は、あなたのもとから出て行きたくありません」と言うならば、
17 あなたは錐を取り、彼の耳たぶを戸につけて刺し通さなければならない。こうして、彼は終生あなたの奴隷となる。女奴隷の場合にも、同様にしなければならない。
18 自由の身としてあなたのもとを去らせるときは、厳しくしてはならない。彼は六年間、雇い人の賃金の二倍も働いたからである。神は、あなたの行うすべてのことを祝福する。

【動物の初子に関する規定】

19 牛や羊の雄の初子は、みな神に奉献しなければならない。牛の初子を仕事に使ってはならない。羊の初子の毛を刈ってはならない。
20 あなたの神の前で、年ごとに、主が選ばれる聖所で家族と共にそれを食べなさい。
21 初子の足や目、あるいは他のどこかに大きな傷があれば、神に生け贄として屠ってはならない。
22 かもしかや鹿の場合と同様に、それは不浄な者も清い者も、共に町の中で食べることができる。
23 ただし、その血を食べてはならず、水のように地面に注ぎ出さなければならない。


第十六章


【過ぎ越の祭り・種なしパンの祭り】

01 アビブの月を守り、あなたの神の過越祭を祝いなさい。アビブの月のある夜、神があなたをエジプトから導き出したからである。
02 あなたは、主がその名を置くために選んだ場所で、羊あるいは牛を過越の生け贄として神に屠りなさい。
03 その際、酵母入りのパンを食べてはならない。七日間、酵母を入れない苦しみのパンを食べなさい。あなたは、エジプト国から急いで出たからである。こうして、あなたはエジプト国から出た日を生涯思い出さなければならない。

04 七日間、国中どこにも酵母があってはならない。祭りの初日の夕方屠った肉を、翌朝まで残してはならない。
05 過越の生け贄を屠ることができるのは、あなたの神が与えた町のうちのどこででもよいということではない。
06 あなたの神が、その名を置くために選んだ場所でなければならない。夕方、太陽の沈むころ、あなたがエジプトを出た時刻に、過越の生け贄を屠りなさい。
;07 それを神が選んだ場所で煮て食べ、翌朝自分の天幕に帰りなさい。
08 六日間酵母を入れないパンを食べ、七日目にはあなたの神のために聖なる集まりを行いなさい。その日に、いかなる仕事もしてはならない。

【七週の祭り】

09 あなたは、七週を数えなければならない。穀物に鎌を入れる時から、七週を数える。
10 そして、神のために七週祭を行いなさい。神より受けた祝福に応じて、十分に捧げることができるだけの収穫を供え物としなさい。
11 こうしてあなたは、神がその名を置くために選んだ場所で、息子・娘・男女の奴隷・レビ族・あなたの寄留者・孤児・寡婦などと共に、神の前で喜び祝いなさい。
12 あなたがエジプトで奴隷であったことを思い出し、これらの掟を忠実に守りなさい。

【仮庵祭・結び】

13 麦打ち場と酒ぶねからの収穫が済んだときに、あなたは七日間、仮庵祭を行いなさい。
14 息子・娘・男女の奴隷・町にいるレビ族・寄留者・孤児・寡婦などと共に、この祭りを喜び祝いなさい。
15 七日間、主の選んだ場所で神のために祭りを行いなさい。あなたの神が、あなたの収穫と手の業をすべて祝福する。あなたは、ただそれを喜び祝うのである。

16 男子はすべて、年に三度、すなわち種なしパンの祭り・七週祭・仮庵祭に、あなたの神の前、主の選んだ場所に出なければならない。何も持たずに、主の前に出てはならない。
17 あなたの神より受けた祝福に応じて、それぞれ供え物を携えなさい。

【裁判官と役人・正義の追究・迷った宗教】

18 あなたの神が部族ごとに与えたすべての町に、裁判官と役人を置き、正しい裁きをもって民を裁かせなさい。
19 裁きを曲げず、偏り見ず、賄賂を受け取ってはならない。賄賂は賢い者の目をくらませ、正しい者の言い分をゆがめるからである。

:20 ただ正しいことだけを追求しなさい。そうすれば命を得、あなたの神が与える土地を得ることができる。

21 あなたは、あなたの神の祭壇を築いて、そのそばにはアシェラ像をはじめいかなる木の柱を据えてはならない。
22 また、あなたの神が憎む石柱を立ててはならない。


第十七章


【他の神に仕えたときの死刑】

01 欠陥や傷のある牛・羊を、神の生け贄として捧げてはならない。あなたの神は、それを厭う。
02 神が与えたどこかの町で、あなたたちの男女の中に、神が悪と見なされることを行って契約を破り、
03 他の神々に仕えて、その神々や太陽・月・天の万象など私が命じたことのないものにひれ伏す者がいるならば、
04 その知らせを受け、それを聞いたときには、よく調べなさい。

 もしも、それが確かな事実であり、イスラエルの中でこうした厭うべきことが行われたのであれば、
05 その悪事を行った男または女を町の門に引き出し、石で打ちなさい。彼らは、死ななければならない。
06 死刑に処するには、二人ないし三人の証言が必要である。一人の証人で、死刑に処してはいけない。
07 死刑の執行に当たっては、まず証人が手を下し、次に民全員が手を下す。こうして、あなたの中から悪を取り除かなければならない。

【上級裁判】

08 あなたの町で、流血・もめ事・傷害などの訴えを裁くのが極めて難しいときは、直ちにあなたの神が選ぶ場所に行きなさい。
09 そして、レビ族の祭司と任に就いている裁判官のもとに行って尋ねなさい。彼らが、判決を告げるであろう。

10 あなたは、彼らが主の選んだ場所から告げる判決に従い、彼らの指示するとおりに忠実に実行しなければならない。
11 あなたは、彼らの示す指示と下す判決に従い、彼らが告げる言葉に背いて、右にも左にもそれてはならない。
12 神に仕えてそこに立つ祭司あるいは裁判官を無視して、勝手に振る舞う者があれば、その者を死刑に処し、イスラエルの中から悪を取り除かなければならない。
13 民は皆、これを聞くと恐れを抱いて、もはや勝手にふるまうことはないであろう。

【王を立てる】

14 あなたが、神の与える土地に入って、それを得て住むようになり「周囲のすべての国々と同様、私たちを治める王を立てよう」と言うならば、
15 神が選んだ者を王としなさい。同胞の中からあなたたちを治める王を立てたり、同胞でない外国人を王として立てることはできない。
16 王は、馬を増やしてはならない。馬を増やすために、民をエジプトへ送り返すことがあってはならない。主は「あなたたちは、二度とこの道を戻ってはならない」と言った。

17 王は大勢の妻を娶って、心を迷わしてはならない。銀・金を大量に蓄えてはならない。
18 王位についたならば、レビ族である祭司のもとにある原本からこの律法の写しを作り、
19 それを自分の傍らに置いて、生きている限り読み返し、神なる主を畏れることを学ぶ。王は、この律法のすべての言葉と掟を忠実に守らなければならない。
20 そうすれば、王が同胞を見下して高ぶることなく、この戒めから右にも左にも反れることもなく、王もその子らもイスラエルの中で、その王位を長く保つことができる。


第十八章


【レビ族の権利】

01 レビ族である祭司、レビ族のすべての者には、イスラエル人の受け継ぐ割り当てがない。したがって彼らは、燃やして主に捧げる供え物を自分の受け継ぐ分として、食べることができる。
02 同胞の中で、彼らには受け継ぐ土地がない。主の言われたとおり、主が彼の受け継ぎであるからだ。

03 祭司が、民の捧げる者からから牛・羊を生け贄として受け取る分は、次のとおり。肩と両頬と胃の部分は、祭司に与えられる。
04 穀物・ぶどう酒・オリーブ油の初物、羊の毛の初物も祭司に与えられる。
05 神が全部族の中から彼を選び、彼とその子らを永久に主の名によって仕える者としたからである。

06 レビ族は、現在寄留しているイスラエル中のどの町からでも、望むがままに主の選んだ場所に移り、
07 主の前に立つ者となっている自分の兄弟である他のレビ族と同じように、その神の名によって仕えることができる。
08 彼は、先祖の財産を売って得たものを別として、他のレビ族と同じ分を食べることができる。

【預言者】

09 あなたが、あなたの神の与えた土地に入ったならば、その国々の厭うべき習慣を見習ってはならない。
10 あなたたちの間に、自分の息子・娘に火の中を通らせる者・占い師・卜者・易者・呪術師・
11 呪文を唱える者・口寄せ・霊媒・死者に伺いを立てる者などがいてはならない。
12 これらのことを行う者をすべて、主は厭う。これらの厭うべき行いのゆえに、神は彼らをあなたの前から追い払うであろう。

13 あなたは、神と共にあって全き者でなければならない。
14 あなたが追い払おうとしている国々の民は、卜者や占い師に尋ねるが、神はあなたがそうすることを許さない。
15 神はあなたの同胞の中から、私(=モーセ)のような預言者を立てる。あなたたちは、彼に聞き従わなければならない。
16 このことはすべて、あなたがホレブ山で、集会の日に「二度と私の神の声を聞き、この大いなる火を見て、死ぬことのないようにしてください」と神に求めたことによっている。

17 主はそのとき、私に言われた「彼らの言うことはもっともである。
18 私は彼らのために、同胞の中からあなたのような預言者を立てて、その口に私の言葉を授ける。彼は私が命じることを、すべて彼らに告げるであろう。
19 預言者が私の名によって私の言葉を語るのに、聞き従わない者があるならば、私はその責任を追及する。
20 ただし、その預言者が私の命じていないことを、勝手に私の名によって語り、あるいは、他の神々の名によって語るならば、その預言者は死ななければならない」

21 あなたは心の中で「どうして私たちは、その言葉が主の語られた言葉ではないということを知りうるだろうか」と言うであろう。
22 その預言者が主の名によって語っても、そのことが起こらず、実現しなければ、それは主が語ったものではない。預言者が勝手に語ったのであるから、恐れることはない。


第十九章


【避難の町で助かる場合】

01 あなたの神が敵の国々の民を絶やし、あなたたちにその土地を与え、それを得て彼らの町々・家々に住むようになったならば、
02 与えられて得た土地の中に、三つの町を選んで分けなさい。
03 そして道のりを測り、あなたに受け継がされた領土を三つに分けて、人を殺した者が誰でもそこに逃げられるようにしなさい。

04 意図してではなく、積年の恨みによるのでもないのに、誤って隣人を殺してしまった者が逃れて、生き延びうるのは次のような場合。
05 隣人と柴刈りに森の中に入り、木を切ろうと斧を手にして振り上げたときに柄から斧の頭が抜けて、その隣人に当たって死なせたような場合である。彼は、これらの町の一つに逃れて、生き延びることができる。
06 復讐する者が激昂して、人殺をした者を追跡するときに、道のりが遠すぎるために、追いついてしまって彼を打ち殺すことがあってはならない。その人は、積年の恨みによって殺したのではないから、殺される理由はない。
07 私はそれゆえ、三つの町を選び分けるようにあなたに命じる。

【避難の町に逃げ込んでもダメな場合】

08 私が命じるこの戒めをすべて忠実に守って、あなたの神を愛し、生涯その道に従って歩むならば、先祖に誓ったようにあなたの領土を広げ、
09 先祖に与えると約束した土地をことごとくあなたに与える。そのときは、この三つの町の他に、さらに三つの町を加えなさい。
10 神があなたの受け継ぎとして与えた土地に罪なき者の血が流され、その責任があなたに及ぶことがないようにするためである。

11 しかし、もしある者が隣人を憎み、待ち伏せして襲いかかって打ち殺し、これらの町の一つに逃れたならば、
12 その犯人を出した町の長老たちは、人を遣わして彼を捕らえ、復讐する者の手に引き渡して殺させなければならない。
13 彼に憐れみをかけてはならない。罪なき者の血を流した罪をイスラエルから除き去れば、あなたは幸いを得る。

【土地の境界】

14 神があなたに与えて得させた土地、すなわちあなたが受け継ぐ土地で、最初の人々が定めたあなたの隣人との地境を動かしてはならない。

【証人・目には目】

15 いかなる犯罪であっても、その罪が一人の証人によって立証されることはない。二人ないし三人の証人の証言によって、その事実は立証されなければならない。
16 不法な証人が立って、相手の不正を証言するときは、
17 係争中の両者は主の前に出て、そのとき任に就いている祭司と裁判官の前に出なければならない。

18 裁判官は詳しく調査をして、もしその証人が偽証人であり、同胞に対して偽証したということになれば、
19 彼が同胞に対してたくらんだ事を彼自身に報い、あなたの中から悪を取り除かなければならない。
20 他の者たちは聞いて恐れを抱き、このような悪事をあなたの中で二度と繰り返すことはないであろう。
::21 あなたは、憐れみをかけてはならない。命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足を報いなければならない。


第二十章


【戦争をするとき】

01 敵に向かって出陣するときに、馬・戦車や味方より多数の軍勢を見ても、恐れてはならない。あなたをエジプト国から導いたあなたの神が共にいるからである。
02 いよいよ戦いの場に臨んだならば、祭司は進み出て民に告げる。
03 そして、言わなければならない「イスラエルよ、聞け。あなたたちは、今日、敵との戦いに臨む。心ひるむな。恐れるな。慌てるな。彼らの前にうろたえるな。
04 あなたたちの神が共に進み、敵と戦って勝利を賜るからである」

05 役人たちは、民に勧めなさい「新しい家を建てて、まだ奉献式を済ませていない者はいないか。その人は、家に帰りなさい。万一、戦死して、他の者が奉献式をするようなことにならないように。
06 ぶどう畑を作り、まだ最初の収穫をしていない者はいないか。その人は、家に帰りなさい。万一、戦死して、他の者が最初の収穫をするようなことにならないように。
:07 婚約しただけで、まだ結婚をしていない者はいないか。その人は、家に帰りなさい。万一、戦死して、他の者が彼女と結婚するようなことにならないように」

:08 役人たちは、さらに民に勧めて言いなさい「恐れて、心ひるんでいる者はいないか。その人は、家に帰りなさい。彼の心と同じように同胞の心が挫けるといけないから」
09 役人たちが民への勧めを終えたならば、各部隊の長は民の指揮を取りなさい。

【敵の町を攻撃する】

10 ある町を攻撃しようとして、そこに近づいたならば、まず相手に降伏を勧告しなさい。
11 もしその町がそれを受諾し、城門を開くならば、その全住民を強制労働に服させ、あなたに仕えさせなければならない。

12 しかし、もしも降伏せず、抗戦するならば、町を包囲しなさい。
13 あなたの神はその町をあなたの手に渡すから、あなたは男子をことごとく剣にかけて撃たなければならない。
14 ただし、女・子供・家畜、町にあるものはすべてあなたの分捕り品として奪い取ることができる。あなたは、神が与えた敵の分捕り品を自由に用いることができる。
15 このようになしうるのは、遠く離れた町々に対してであって、次に挙げる国々に属する町々に対してではない。

16 あなたの神が受け継ぎとして与えた諸国の民に属する町々で、息のある者は一人も生かしておいてはならない。
17 ヘト人・アモリ人・カナン人・ペリジ人・ヒビ人・エブス人は、必ず滅ぼし尽くさなければならない。
18 彼らがその神々に行ってきた、あらゆる厭うべき行為をあなたたちに教えてそれを行わせ、あなたたちがあなたたちの神に罪を犯すことのないためである。
19 町を攻略しようとして、長期にわたって包囲するとき、斧を振るってその町の木を切り尽くしてはならない。木の実は食糧になるから、それを切り倒してはならない。野の木は、人間でないから敵と同様に扱ってはいけない。
20 食用にならないことが分かっている木を切り尽くし、切った木を用いて塁を築き、あなたに抗戦する町を攻め落とすのはよい。


第二十一章


【野で殺された人】

01 神があなたに与えた土地で、殺されて野に倒れている人が発見され、その犯人が誰か分からない場合は、
02 長老・裁判官たちが現場に赴き、その死体から周囲の町々への距離をまず測る。
03 最も近い町の長老たちは、労役に使われたことのない雌牛、すなわち軛(くびき)を負わされたことのない若い雌牛を選び、
04 その雌牛を水の尽きることのない川の、耕したことも種を蒔いたこともない岸辺に連れて行って、その川で雌牛の首を折らなければならない。
05 それから、レビの子孫である祭司たちが進み出る。神が御自分に仕えさせ、また主の名によって祝福を与えるために、選んだのは彼らであるから、争いごとや傷害事件は、すべて彼らの指示に従わなければならない。

06 死体に最も近い町の長老たちは皆、川で首を折られた雌牛の上で手を洗い、
07 証言して言わなければならない「私たちの手はこの流血事件とかかわりがなく、目は何も見ていません。
08 主よ、あなたが救い出されたあなたの民、イスラエルの罪を贖い、あなたの民イスラエルのうちに罪なき者の血を流した罪を止めないでください」 こうして、彼らの血を流した罪は贖われる。
09 あなたは、主が正しいと見なされることを行うなら、罪なき者の血を流した罪を取り除くことができる。

【女の捕虜の扱い】

10 敵に向かって出陣し、神が敵をあなたの手に渡され、捕虜を捕らえたときに、
11 その中に美しい女性がいて、心を引かれ、妻にしようとするならば、
12 自分の家に連れて行きなさい。彼女は髪を下ろし、つめを切り、
13 捕虜の衣服を脱いで、あなたの家に住み、自分の両親のために、一か月の間嘆かなければならない。その後、あなたは彼女のところに入ってその夫となり、彼女はあなたの妻となる。

14 しかし、もしも彼女があなたの気に入らなくなった場合、彼女の意のままに去らせなければならない。決して金で売ってはならない。すでに彼女を辱めたのであるから、奴隷のように扱ってはならない。

【長子権】

15 ある人に二人の妻があり、一方は愛され、他方は疎んじられていた。愛された妻も、疎んじられた妻も彼の子を産み、疎んじられた妻の子が長子であるならば、
16 その人が息子たちに財産を継がせるとき、その長子である疎んじられた妻の子を差し置いて、愛している妻の子を長子として扱うことはできない。
17 疎んじられた妻の子を長子として認め、自分の全財産の中から二倍の分け前を与えなければならない。この子が父の力の初穂であり、長子権はこの子のものだからである。

:::【反抗をする息子】

18 ある人にわがままで、反抗する息子があり、父の言うことも母の言うことも聞かず、戒めても聞き従わなかった。
19 両親は彼を取り押さえ、その地域の城門にいる町の長老のもとに突き出した。
20 そして、町の長老に「私たちのこの息子はわがままで、反抗し、私たちの言うことを聞きません。放蕩にふけり、大酒飲みです」と言いなさい。
21 町の住民は、皆で石を投げつけて彼を殺す。あなたはこうして、あなたの中から悪を取り除かなければならない。全イスラエルはこのことを聞いて、恐れを抱くであろう。

【木にかけた死体】

22 ある人が死刑に当たる罪を犯して処刑され、あなたがその人を木にかけるならば、
23 死体を木にかけたまま夜を過ごすことなく、必ずその日のうちに埋めなければならない。木にかけられた死体は、神に呪われたものだからである。あなたは、あなたの神、主が受け継ぎとして与える土地を汚してはならない。


第二十二章


【その他の規定】

01 同胞の牛または羊が迷っているのを見て、見ない振りをしてはならない。必ず同胞のもとに連れ返さなければならない。
02 もしも同胞が近くの人でなく、誰であるかも分からない場合は、それを家に連れ帰り、同胞が捜しに来るまで手もとに置き、捜しに来たとき、その人に返しなさい。
03 ろばであれ、外套であれ、その他すべて同胞がなくしたものを、あなたが見つけたときは、同じようにしなさい。見ない振りをすることは許されない。
04 同胞のろばまたは牛が道に倒れているのを見て、見ない振りをしてはならない。その人に力を貸して、必ず助け起こさなければならない。

:05 女は、男の着物を身に着けてはならない。男は、女の着物を着てはならない。神は、そのようなことをする者をすべて厭う。
06 道端の木の上または地面に鳥の巣を見つけても、その中に雛か卵があって母鳥がそれを抱いているときは、母鳥をその産んだものと共に取ってはならない。
07 取るのであれば、必ず母鳥を追い払ってから、母鳥が産んだものだけを取らなければならない。そうすれば、あなたは幸いを得、長く生きることができる。

08 家を新築するならば、屋根に欄干を付けなければならない。そうすれば、人が屋根から落ちても、あなたの家が血を流した罪に問われることはない。
09 ぶどう畑に、それと別の種を蒔いてはならない。あなたの蒔く種の実りも、ぶどう畑本来の収穫も共に汚れたものとならないためである。
10 牛とろばとを組にして、耕してはならない。
11 毛糸と亜麻糸とを織り合わせた着物を着てはならない。
12 身にまとう衣服の四隅には、房を付けなければならない。

【処女について】

13 人が妻を娶り、彼女のところに入った後にこれを嫌い、
14 虚偽の非難をして、彼女の悪口を流し「私はこの女を娶って近づいたが、処女の証拠がなかった」と言うならば、
15 その娘の両親は、娘の処女の証拠を携えて、町の門にいる長老たちに差し出し、
16 娘の父は、長老たちに「私は娘をこの男と結婚させましたが、彼は娘を嫌い、
17 娘に処女の証拠がなかったと言って、虚偽の非難をしました。しかし、これが娘の処女の証拠です」と証言し、布を町の長老たちの前に広げなければならない。

18 町の長老たちは、男を捕まえて鞭で打ち、
19 イスラエルの乙女について悪口を流したのであるから、彼に銀百シェケルの罰金を科し、それを娘の父親に渡さなければならない。彼女は彼の妻として止まり、彼は生涯、彼女を離縁することができない。
20 しかし、もしその娘に処女の証拠がなかったという非難が確かであるならば、
21 娘を父親の家の戸口に引き出し、町の人たちは彼女を石で打ち殺さなければならない。彼女は父の家で姦淫を行って、イスラエルの中で愚かなことをしたからである。あなたは、あなたの中から悪を取り除かなければならない。

【姦通について】

22 男が人妻と寝ているところを見つけられたならば、女と寝た男もその女も共に殺して、イスラエルの中から悪を取り除かなければならない。
23 ある男と婚約している処女の娘がいて、別の男が町で彼女と出会い、床を共にしたならば、
24 その二人を町の門に引き出し、石で打ち殺さなければならない。その娘は町の中で助けを求めず、男は隣人の妻を辱めたからである。あなたはこうして、あなたの中から悪を取り除かなければならない。

25 もしもある男が、別の男と婚約している娘と野で出会い、これを力ずくで犯し共に寝た場合は、共に寝た男だけを殺さなければならない。
26 その娘には、何もしてはならない。娘には、死刑に当たる罪はない。これは、ある人がその隣人を襲い、殺害した場合と同じような事件である。
27 男が野で彼女に出会い、婚約している娘は助けを求めたが、助ける者がいなかったからである。

28 ある男がまだ婚約していない処女の娘に出会い、これを捕らえ、共に寝たところを見つけられたならば、
29 共に寝た男はその娘の父親に銀五十シェケルを支払って、彼女を妻としなければならない。彼女を辱めたのであるから、生涯彼女を離縁することはできない。


第二十三章


【会衆に加われない場合】

01 誰も父の妻をめとって、父の衣の裾をあらわにしてはならない。
::02 きんたまのつぶれた者、オチンチンを切断されている者は、主の会衆に加わることはできない。
03 混血の人は、主の会衆に加わることはできない。十代目になっても、主の会衆に加わることはできない。
04 アンモン人とモアブ人は、主の会衆に加わることはできない。十代目になっても、決して主の会衆に加わることはできない。
05 それは、かつてあなたたちがエジプトから出て来たとき、彼らがパンと水を用意して旅路で歓迎せず、アラム=ナハライムのペトルからベオルの子バラムを雇って、あなたを呪わせようとしたからである。

06 あなたの神はバラムに耳を傾けず、あなたの神は呪いを祝福に代えた。あなたの神が、あなたを愛していたからに他ならない。
07 あなたは、生涯いつまでも彼らの繁栄や幸福を求めてはならない。
08 エドム人を厭ってはならない。彼らはあなたの兄弟である。エジプト人を厭ってはならない。あなたが、その国に寄留していたからである。
09 彼らに生まれる三代目の子孫は、主の会衆に加わることができる。

【用便などの方法】

10 あなたが敵に向かって陣を張るならば、注意して、すべての汚れから身を守らなければならない。
11 夜、夢精によって汚れた者は、陣営の外に出て行き、中に入らず、
12 夕方になって水で体を洗い、日没に陣営に戻ることができる。
13 陣営の外に一つの場所を設け、用を足すときは、そこに行きなさい。
14 武器の他に杭を用意し、外でかがむときには、それで穴を掘り、再びそれで排泄物を覆いなさい。
15 神はあなたを救い、敵をあなたに渡すために、陣営の中を歩む。陣営は、聖なるものである。主が、あなたの恥ずべきものを見て、あなたから離れ去ることのないようにしなさい。

【その他の定め】

16 主人のもとを逃れて、あなたのもとに来た奴隷を、その主人に引き渡してはならない。
17 あなたの家のものといっしょに、彼が選ぶ場所に住まわせなさい。彼を虐げてはならない。

18 イスラエルの女子は、神殿娼婦になってはならない。またイスラエルの男子は、神殿男娼になってはならない。
19 いかなる誓願のためであっても、遊女のもうけや犬の稼ぎを神の宮に携えてはならない。いずれも、神の厭うものだからである。

20 同胞には、利子を付けて貸してはならない。銀の利子も、食物の利子も、その他利子が付くいかなるものにも利子を付けてはならない。
21 外国人には、利子を付けて貸してもよい。それは、あなたが入って得る土地で、あなたの神があなたの手の働きすべてに祝福を与えるためである。
22 神に誓願を立てる場合は、遅らせることなく、それを果たしなさい。神はその実行がなければ、あなたの罪とするからである。
23 誓願をしていない場合は、罪を負わない。

24 唇に出したことはそれを守り、口で約束した誓願は神にしたとおりに実行しなさい。
25 隣人のぶどう畑に入るときは、満足するまでぶどうを食べてもよいが、篭に入れてはならない。
26 隣人の麦畑に入るときは、手で穂を摘んでもよいが、その麦畑で鎌を使ってはならない。


第二十四章


【離縁】

01 人が妻をめとり、その夫となってから、妻に何か恥ずべきことを見いだし、気に入らなくなったときは、離縁状を書いて彼女の手に渡し、家を去らせる。
02 その女が家を出て行き、別の人の妻となり、
03 次の夫も彼女を嫌って離縁状を書き、それを手に渡して家を去らせるか、あるいは彼女をめとって妻とした次の夫が死んだならば、
04 彼女は汚されているのだから、彼女を去らせた最初の夫は、彼女を再び妻にすることはできない。これは、主の前に厭うべきことである。神が受け継ぎとして与える土地を罪で汚してはならない。

【民を保護する規定】

05 人が新妻を娶ったならば、兵役に服さず、いかなる公務も課せられず、一年間は自分の家のためにすべてを免除される。彼は、娶った妻を喜ばせなければならない。
06 挽き臼あるいはその上石を質に取ってはならない。命そのものを質に取ることになるからである。
07 同胞であるイスラエル人の一人を誘拐して、これを奴隷のように扱うか、人に売るのを見つけたならば、誘拐したその者を殺し、あなたたちの中から悪を取り除かなければならない。

08 重い皮膚病には細心の注意を払い、すべてレビ族である祭司が指示するとおりに行いなさい。私が彼らに命じたとおり、忠実に守りなさい。
09 エジプトから出た後の旅路で、あなたの神がミリアムにしたことを思い出しなさい。
10 あなたが隣人に何らかの貸し付けをするときは、担保を取るために、その家に入ってはならない。
11 外にいて、貸す相手の人があなたのところに担保を持って出て来るのを待ちなさい。

12 もしも、その人が貧しい場合には、その担保を取ったまま床に就いてはならない。
13 日没には、必ず担保を返しなさい。そうすれば、その人は自分の上着を掛けて寝ることができ、あなたを祝福するであろう。そして、あなたは神の前に報いを受けるであろう。
14 同胞であれ、町に寄留している者であれ、貧しく乏しい雇い人を搾取してはならない。
15 賃金はその日のうちに、日没前に支払わなければならない。彼は貧しく、その賃金を当てにしているからである。彼があなたを主に訴えて、あなたが罪を負うことがないようにしなさい。

16 子の罪で、父を死刑にしてはいけない。父の罪で、子を死刑にしてはいけない。人は、自分の罪ゆえに死刑になる。

【寄留者・孤児・寡婦などを慈しみなさい】

17 寄留者や孤児の権利を歪(ゆが)めてはならない。寡婦の着物を質に取ってはならない。
18 あなたはエジプトで奴隷であったが、あなたの神が救い出してくれたことを思い出しなさい。私はそれゆえ、あなたにこのことを行うように命じるのである。
19 畑で穀物を刈り入れるとき、一束を畑に忘れても取りに戻ってはならない。それは、寄留者・孤児・寡婦のものとしなさい。こうして、あなたの手の業すべてについて、神はあなたを祝福する。

20 オリーブの実を打ち落とすときは、後で枝をくまなく捜してはならない。それは、寄留者・孤児・寡婦のものとしなさい。
21 ぶどうの取り入れをするときは、後で摘み尽くしてはならない。それは、寄留者・孤児・寡婦のものとしなさい。
22 あなたは、エジプト国で奴隷であったことを思い出しなさい。私はそれゆえ、あなたにこのことを行うように命じる。


第二十五章


【四十回の鞭打ち】

01 二人の間に争いが生じ、彼らが法廷に出頭するならば、正しい者を無罪とし、悪い者を有罪とする判決が下されなければならない。
02 もしも、有罪の者が鞭打ちの刑に定められる場合、裁判官は彼をうつ伏せにし、自分の前で罪状に応じた数だけ打たせなければならない。
03 四十回までは打ってもよいが、それ以上はいけない。それ以上鞭打たれて、同胞があなたの前で卑しめられないためである。

04 脱穀している牛に、口篭(くちかご)を掛けてはならない。

【靴を脱がされた者の家】

05 兄弟が共に暮らしていて、そのうちの一人が子供を残さずに死んだならば、死んだ者の妻は家族以外の他の者に嫁いではならない。亡夫の兄弟が彼女のところに入り、娶って妻として、兄弟の義務を果たしなさい。
06 彼女の産んだ長子に死んだ兄弟の名を継がせ、その名がイスラエルの中から絶えないようにしなければならない。
07 もしも、その人が義理の姉妹をめとろうとしない場合、彼女は町の門に行って長老たちに訴えなさい。そして、こう言うべきである「私の義理の兄弟は、その兄弟の名をイスラエルの中に残すのを拒んで、私のために兄弟の義務を果たそうとしません」

08 町の長老たちは彼を呼び出して、説得しなければならない。もし彼が「私は彼女をめとりたくない」と言い張るならば、
09 義理の姉妹は、長老たちの前で彼に近づいて、彼の靴をその足から脱がせ、その顔に唾を吐き、彼に答えて「自分の兄弟の家を興さない者はこのようにされる」と言うべきである。
10 彼は、イスラエルの間で「靴を脱がされた者の家」と呼ばれるであろう。

【急所をつかんだ手】

11 二人の男が互いに相争っているとき、一方の妻が近づき、夫が打たれるのを救おうとして、手を伸ばし、相手の急所をつかんだならば、
12 その手は、切り落とされなければならない。憐れみをかけてはならない。

【正確な重りと正確な升】

13 あなたは、袋に大小二つの重りを入れておいてはならない。
14 あなたの家に、大小二つの升を置いてはならない。
15 あなたが全く正確な重りと全く正確な升を使うならば、あなたの神が与えた土地で長く生きることができるが、
16 不正を行う者ならば、すべて神は厭う。

【アマレクの記憶】

17 あなたたちがエジプトを出たとき、旅路でアマレクがしたことを思い出しなさい。
18 彼は道であなたと出会い、あなたが疲れきっているとき、あなたのしんがりにいた落伍者をすべて攻め滅ぼし、神を畏れることがなかった。
19 あなたの神があなたに受け継ぐ土地として得させるために与えた土地で、あなたの神が周囲のすべての敵からあなたを守って安らぎを与えられるとき、忘れずにアマレクの記憶を天の下からぬぐい去らなければならない。


第二十六章


【初物】

01 神が受け継ぐ土地として与えた土地にあなたが入り、そこに住むときには、
02 その土地から取れるあらゆる地の実りの初物を取って篭に入れ、神がその名を置くために選んだ場所に行きなさい。
03 そこで、任に就いている祭司のもとに行って「今日、私は神の前に報告いたします。私は、主が与えると先祖たちに誓った土地に入りました」と言いなさい。
04 祭司は、あなたの手から篭を受け取って、あなたの神の祭壇の前に供える。
05 あなたは、次のように告白をしなさい「私の先祖は、単に滅びゆくアラム人であり、わずかな人を伴ってエジプトに下り、そこに寄留しました。しかしそこで、強くて数の多い、大いなる国民になりました。

06 しかし、エジプト人は私たちを虐げ、苦しめて、重労働を課しました。
07 私たちが先祖の神に助けを求めると、主は私たちの声を聞き、私たちの受けた苦しみと労苦と虐げをご覧になりました。
08 力ある手と腕を伸ばし、大いなる恐るべきことと徴(しるし)と奇跡をもって私たちをエジプトから導き出し、
09 ここの乳と蜜の流れる土地を私たちに与えました。
10 私は、主に与えられた地の実りの初物を、今、ここに持って来ました」 そして、あなたは神の前にそれを供え、神の前にひれ伏しなさい。
11 神が、あなたの家族に与えたすべての賜物を、レビ族および寄留者と共に喜び祝いなさい。

【三年ごとの十分の一税】

12 十分の一税の納期である三年目ごとに、収穫物の十分の一を全部納め終わり、レビ族・寄留者・孤児・寡婦に施し、彼らが町の中でそれを食べて満足したとき、
13 神の前で、次のように言いなさい「私は、聖なる供え物を残らず家から取り出し、すべて命じられた戒めに従って、レビ族・寄留者・孤児・寡婦に施し、あなたの戒めから外れたり、それを忘れたりいたしませんでした。
14 喪中に食べたり、不浄なときに取り出したり、死者に供えたりしたこともありません。神の声に聞き従い、すべて命じられたとおりに行いました。
15 天にある聖なる住まいから見下ろして、あなたの民イスラエルを祝福し、あなたが先祖にお誓いになったとおりに、私たちに授けられた地、乳と蜜の流れる土地を祝福してください」

【掟と法の結び】

16 神はあなたに、これらの掟と法を行うように命じている。あなたは心を尽くし、魂を尽くして、それを忠実に守りなさい。
17 今日、あなたは「主を自分の神とし、その道に従って歩み、掟と戒めと法を守り、主の声に聞き従います」と誓約をした
18 主もまた、今日、あなたに誓約した「すでに約束したとおり、あなたは宝の民となり、すべての戒めを守るであろう。
19 造ったすべての民にはるかに勝るものとし、あなたに賛美と名声と誉れを与え、約束をしたとおり、あなたを聖なる民にする」と。


第二十七章


【モーセの戒め】

01 モーセは、イスラエルの長老たちと共に民に命じた。今日、私が命じるすべての戒めを守りなさい。
02 ヨルダン川を渡り、神が与えた土地に入る日には、大きな石を幾つか立てて漆喰(しっくい)を塗り、
03 その上にこの律法の言葉をすべてを書き記しなさい。そのようにして、先祖の神が約束したとおり、乳と蜜の流れる土地に入ることができる。
04 あなたたちがヨルダン川を渡ったならば、私が今日命じるこれらの石をエバル山に立て漆喰を塗り、
05 またそこに、神のために祭壇を築きなさい。それは、まだ鉄の道具を当てたことのない石で作った祭壇である。

06 自然のままの石で、神の祭壇を築きなさい。その上で、神に全焼の供え物を捧げなさい。
07 また、和解の供え物を屠って、それにあずかり、神の前で喜び祝いなさい。
08 あなたは、石の上に律法の言葉をすべてはっきりと書き記しなさい。

09 モーセは、レビ族である祭司と共に、全イスラエルに向かって告げた。イスラエルよ、静かにして聞きなさい。あなたは今日、神の民となされた。
10 あなたの神の声に聞き従い、今日私が命じる戒めと掟を行わなければならない。

【ゲリジム山とエバル山に立つ】

11 その日、モーセは民に命じた。
12 あなたたちがヨルダン川を渡ったら、民を祝福するためにシメオン・レビ・ユダ・イサカル・ヨセフ・ベニヤミンは、ゲリジム山に立ち、
13 また呪うためにルベン・ガド・アシェル・ゼブルン・ダン・ナフタリはエバル山に立ちなさい。
14 レビ族は、大声でイスラエルの人すべてに向かって宣言をしなければならない。

【呪われる者】

15 「職人による手の業にすぎない彫像や鋳像は主の厭うものである。これを造って、安置する者は呪われる」 それに答えて、民は皆「アーメン」と言わなければならない。
16 「父母を軽んずる者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
17 「隣人との地境を動かす者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
18 「盲人を道に迷わせる者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
19 「寄留者・孤児・寡婦の権利をゆがめる者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
20 「父の妻と寝る者は、呪われる。父の衣の裾をあらわにするからである」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
21 「どんな獣とでも寝る者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
22 「異母姉妹であれ、異父姉妹であれ、自分の姉妹と寝る者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
23 「妻の母と寝る者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
24 「隣人をひそかに打ち殺す者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
25 「賄賂を取って、人を打ち殺して罪のない人の血を流す者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。
26 「この律法の言葉を守らない者は、呪われる」 民は皆「アーメン」と言わなければならない。


第二十八章


【神の祝福】

01 もしも、あなたが神の声によく聞き従い、今日私が命じる戒めをことごとく忠実に守るならば、神はあなたを地上のあらゆる国民よりも勝(まさ)ったものとする。
02 あなたが、神の声に聞き従うならば、これらの祝福はすべてあなたに臨み、実現するだろう。
03 あなたは、町にいても、野にいても祝福される。
04 あなたの身から生まれる子も、土地の実りも、家畜の産むもの、すなわち牛の子や羊の子も祝福され、
05 篭も、こね鉢も、祝福される。

06 あなたは入るときも祝福され、出て行くときも祝福される。
07 主は、あなたに立ち向かう敵を目の前で撃ち破る。敵は一つの道から攻めて来るが、あなたの前に敗れて七つの道から逃げ去る。
08 主は、あなたのために、あなたの穀倉に対しても、あなたの手の働きすべてに対しても、祝福をする。神が与える土地で、あなたを祝福する。
09 もしも、あなたが神の戒めを守り、その道に従って歩むならば、主は誓ったとおり、あなたを聖なる民とする。
10 地上のすべての民は、あなたの上に主の名があるのを見て、畏れを抱く。

11 主は、あなたに与えると先祖に誓った土地で、あなたの身から生まれる子、家畜の産むもの、土地の実りを豊かに増し加える。
12 恵みの倉である天を開いて、季節ごとにあなたの土地に雨を降らせ、あなたの手の業すべてを祝福する。あなたはそれゆえ、多くの国民に貸すようになるが、逆に借りることはないであろう。
13 私が今日、忠実に守るように命じる戒めにあなたが聞き従うならば、主はあなたを頭とし、決して尾とはしない。あなたは常に上に立ち、決して下になることはないであろう。
14 あなたは、今日私が命じるすべての言葉から離れて左右にそれ、他の神々に仕えてはならない。

【神の呪い】

15 しかし、もしもあなたが神の声に聞き従わず、私が命じるすべての戒めと掟を忠実に守らないならば、これらの呪いがことごとくあなたに臨み、実現するであろう。
16 あなたは町にいても呪われ、野にいても呪われる。
17 篭も、こね鉢も、呪われ、
18 あなたの身から生まれる子も、土地の実りも、牛の子も羊の子も呪われる。
19 あなたは入るときも呪われ、出て行くときも呪われる。

20 あなたが悪い行いを重ねて、私を捨てるならば、あなたの行う手の働きすべてに対して、主は呪いと混乱と懲らしめを送る。あなたは速やかに滅ぼされ、消えうせるであろう。
21 主は、あなたを疫病にして、あなたが得ようと入って行く土地であなたを絶やす。
22 主は、肺病・熱病・高熱病・悪性熱病・干ばつ・黒穂病・赤さび病をもってあなたを打つ。それらはあなたを追い、あなたを滅ぼすであろう。
23 頭上の天は赤銅(しゃくどう)となり、下の地は鉄となる。
24 主は、地の雨を埃として、天から砂粒を降らせて、あなたを滅ぼす。

【撃ち破られ蹂躙される】

25 主は、敵の前であなたを撃ち破らせる。あなたは一つの道から敵を攻めるが、その前に敗れて七つの道に逃げ去る。あなたは、地上のすべての王国にとって恐るべき見せしめとなる。
26 あなたの死体は、すべての空の鳥・地の獣の餌食となり、それを脅して追い払う者もいない。
27 主は、エジプトの腫れ物・潰瘍・できもの・皮癬などであなたを打ち、あなたは癒されることはない。
28 主はさらに、あなたを打って、気を狂わせる。盲目にして、精神を錯乱させる。

29 盲人が暗闇で手探りをするように、あなたは真昼に手探りをするようになる。あなたは何をしても成功せず、常に蹂躙され、かすめ取られて誰一人助ける者はない。
30 あなたは婚約しても、他の男がその女性と寝る。あなたは家を建てても、住むことはできない。ぶどう畑を作っても、その実の初物を味うことはできない。
31 あなたの牛が目の前で屠られても、あなたは食べることができず、ろばが目の前で奪い取られても、返してはもらえない。羊の群れが敵に連れ去られても、誰一人あなたを助ける者はない。
32 あなたの息子や娘が他国の民に連れ去られるのを見て、その目は終日彼らを慕って衰えるが、なすすべはない。
33 あなたの土地の実りも労苦の作もすべて、あなたの知らない民が食べ、あなたはただ蹂躙され、常に踏み砕かれるだけである。

【気が狂って滅びに至る】

34 あなたは、そのような有様を目の当たりにして、気が狂う。
35 主は悪い腫れ物を両膝や腿に生じさせ、あなたは癒されることはない。それは、あなたの足の裏から頭のてっぺんまで増え広がる。
36 主は、あなたをあなたの立てた王と共に、あなたも先祖も知らない国に行かせる。あなたはそこで、木や石で造られた他の神々に仕えるようになる。
37 主があなたを追いやるすべての民の間で、あなたは驚き・物笑い・嘲りとなる。
38 畑に多くの種を播いても、いなごに食い尽くされて、わずかの収穫しか得られない。
39 ぶどう畑を作って手を入れても、虫に実を食われてしまい、収穫はなく、ぶどう酒を飲むことはできない。
40 オリーブの木があなたの領地の至るところにあっても、実は落ちてしまい、体に塗る油は採れない。

41 あなたに息子や娘が生まれても、捕らわれて行き、あなたのものではなくなる。
42 あなたのどの木も、土地の実りも、害虫に取り上げられる。
43 寄留する者は、徐々にあなたを凌ぐようになり、あなたは次第に没落する。
44 彼があなたに貸すことはあっても、あなたが彼に貸すことはない。彼はあなたの頭となり、あなたはその尾となる。
45 これらの呪いは、ことごとくあなたに臨み、付きまとって実現して、ついにあなたを滅びに至らせる。あなたは神の声に聞き従わず、命じられた戒めと掟とを守らなかったからである。
46 これらのことは、あなたとあなたの子孫に対して、いつまでも徴(しるし)となり、警告となるであろう。

【人肉を食べて滅びに至る】

47 あなたが、すべてに豊かでありながら、心からの喜びと幸せで神に仕えないので、
48 あなたは主の差し向ける敵に仕え、飢えと渇きに悩まされ、裸にされて、すべてに事欠くようになる。敵は、あなたに鉄の首枷をはめ、ついに滅びに至らせる。
49 主は、遠く地の果てから一つの国民を、その言葉を聞いたこともない国民を、鷲が飛びかかるようにあなたに差し向ける。
50 その民は尊大で、老人を顧みず、幼い子を憐れまない。
51 家畜の産むものや土地の実りを食い尽くし、ついにあなたは死に絶える。あなたのために、穀物も新しいぶどう酒もオリーブ油も、牛の子も羊の子も、何一つ残さず、ついにあなたを滅ぼす。
52 彼らは、すべての町であなたを攻めて、全土に築いて頼みとしてきた高くて堅固な城壁を崩してしまう。彼らは、あなたの神があなたに与えられた全土のすべての町を攻め囲む。

:53 あなたは敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえ、あなたの神が与えた身から生まれた子・息子・娘らの肉をさえ食べるようになる。
54 あなたのうちで実に大切に扱われ、ぜいたくに過ごしてきた男が、自分の兄弟・愛する妻・生き残った子らに対して物惜しみをし、
55 その中の誰にも自分の子の肉を与えず、残らず食べてしまう。あなたのすべての町が敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえである。
56 あなたのうちで大切に扱われ、ぜいたくに過ごしてきた淑女で、あまりぜいたくに過ごし、大切に扱われたため、足の裏を地に付けようともしなかった者でさえ、愛する夫や息子、娘に対して物惜しみをし、
57 自分の足の間から出る後産や自分の産んだ子供を、欠乏のために秘かに食べる。あなたの町が敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえである。

【律法の言葉を守らない場合】

58 もしも、この書に記されているこの律法の言葉を忠実に守らず、この尊い神を畏れないならば、
59 主は、あなたと子孫に激しい災害をくだす。災害は大きくて久しく続き、病気も重くて久しく続く。
60 主はまた、あなたが恐れていたエジプトのあらゆる病気を再びあなたに移す。それは、あなたにまといつく。
61 主はさらに、この律法の書に記されていない病気や災害をあなたに臨ませ、あなたを滅びに至らせる。
62 あなたたちは空の星のように多かったが、あなたの神の声に聞き従わなかったから、わずかな者しか生き残らない。

63 主は、かつてあなたたちを幸いにして、人数を増やすことを喜ばれた。しかし、今は滅ぼし絶やすことを喜ぶ。あなたたちは、あなたが入って行って得る土地から根絶やしにされる。
64 主は、地の果てから果てに至るまで、すべての民の間にあなたを散らす。あなたも先祖も知らなかった、木や石で造った他の神々に仕えるようになり、
65 これら諸国民の間にあって息をつくことも、足の裏を休めることもできない。主は、あなたの心を不安定にして、目を衰えさせて気力を失わす。
66 命は危険にさらされて、夜も昼も怯(おび)え、明日の命も信じられなくなる。
::67 心に恐怖を抱き、その有様を目の当たりにして、朝には「夕になればよいのに」と願い、夕には「朝になればよいのに」と願うだけだ。

68 「二度と見ることはない」とかつて私が言った道を通って、主はあなたを船でエジプトに送り返す。そこでは、自分の身を男女の奴隷として敵に売ろうとしても、買ってくれる者はいない。
69 これから述べるのは、主がホレブ山で彼らと結ばれた契約とは別に、モアブの地でモーセに命じてイスラエルの子らと結ばせた契約の言葉である。


第二十九章


【奇跡から国の占領まで】

01 モーセは、全イスラエルを呼び集めて言った。あなたたちは、主がエジプト国でファラオおよびそのすべての家臣、またその全領土に対してしたことを見た。
02 あなたは、その目であの大いなる試みと徴(しるし)、そして大いなる奇跡を見た。
03 ところが主は、それを悟る心・見る目・聞く耳をあなたたちに与えなかった。

04 「私は四十年間、荒野であなたたちを導いたが、あなたたちの纏う着物は古びず、足に履いた靴も磨り減らなかった。
05 あなたたちはパンを食べず、ぶどう酒も濃い酒も飲まなかった。それは、私があなたたちの神であることを、悟らせるためであった」
06 あなたたちがここに来たとき、ヘシボンの王シホンとバシャンの王オグは私たちを迎え撃つために出て来た。しかし、私たちは彼らを撃った。
07 そして、彼らの国を占領して、ルベン族・ガド族・マナセ族の半分の受け継ぐ土地とした。
08 あなたたちは、この契約の言葉を忠実に守りなさい。そうすれば、あなたたちのすることはすべて成功する。

【契約に伴う義務】

09 今日、あなたたちは、全員あなたたちの神の前に立っている。部族の長・長老・役人・イスラエルのすべての男子・
10 その妻子・宿営内の寄留者・薪を集める者から水をくむ者に至るまで。
11 それは、あなたがあなたの神の契約に入り、神が今日あなたと結ばれる呪いの誓いを交わすためである。
12 今日、主があなたを立てて自分の民とし、自らあなたの神となるためである。主がかつてあなたに告げ、先祖アブラハム・イサク・ヤコブに誓われたとおりである。
13 私はあなたたちとだけ、呪いの誓いを伴うこの契約を結ぶのではなく、
14 今日、ここで、神の前に私たちと共に立っている者とも、今日、ここに私たちと共にいない者とも結ぶのである。

15 私たちがエジプト国に止まっていたことも、国々の間を通って来たことも、あなたたちは経験をしたので、よく知っている。
16 あなたたちは、彼らが木・石・銀・金などで造られた憎むべき偶像を持っているのを見た。
17 私たちの神に背き、これらの国々の神々のもとに行って仕えるような男・女・家族・部族があなたたちの間にあってはならない。あなたたちの中に、毒草や苦よもぎを生ずる根があってはいけない。
18 もしも、この呪いの言葉を聞いても、祝福されていると思い込んで「私は自分の頑なな思いに従って歩んでも、大丈夫だ」と言うのならば、潤っている者も渇いている者と共に滅びる。

【主の怒りと妬み】

19 主は、その者を決して赦さない。そのときこそ、主の怒りと妬(ねた)みが燃え上がって、ここに記されている呪いの誓いがすべてその者に降りかかる。そして、その名を天の下から消し去る。
20 主は、この律法の書に記されている契約すべての呪いの誓いに従って、その者をイスラエルの全部族の中から選び出して災いを下す。
21 あなたたちの後に来る世代の子孫たちも、遠くの地から来る外国人も、主がこの国に下した災害と病を見るであろう。
:22 全土は、硫黄と塩で焼けただれ、種を蒔くことができないので芽は出ず、草一本生えず、主が覆したソドム・ゴモラ・アドマ・ツェボイムの惨状と同じになる。
23 国々の民は、こぞって言うだろう「なぜ主は、この国に対してこのようなことをしたのか。どうして、このように激しく怒りを燃やしたのか?」

24 それに対して、人々は言うであろう「彼らの先祖の神が、エジプト国から彼らを導き出したとき結んだ契約を、彼らが捨てたからだ。
25 他の神々のもとに行って仕え、彼らの知らなかった神々にひれ伏したからである。
26 主の怒りはそれゆえ、この国に向かって燃え、ここに記されている呪いがことごとく臨んだのである。
27 主は激しい怒りと大いなる憤りをもって、彼らを大地から抜き取り、他国に投げ捨てて今日のようにした」
28 隠されている事柄は、私たちの神のもとにある。しかし、啓示されたことは、私たちと私たちの子孫のもとに永久に託されており、それはこの律法の言葉をすべて行うことである。


第三十章


【神に立ち戻る】

01 私が、あなたの前に置いた祝福と呪い、これがすべてあなたに臨む。あなたが神によって追いやられたすべての国々で、それを思い起こし、
02 神のもとに立ち帰る。そして、私が今日命じるとおり、あなたの子らと共に、心を尽くし、魂を尽くして声に聞き従うならば、
03 神は、あなたの運命を回復し、あなたを憐れみ、追い散らしたすべての民の中から再び集める。
04 たとえ天の果てに追いやられたとしても、神はあなたを集め、そこから連れ戻す。
05 神は、かつてあなたの先祖のものであった土地にあなたを導き入れ、これを得させ、あなたの数を先祖よりも増やす。
06 神は、あなたとあなたの子孫の心に割礼を施し、心を尽くし、魂を尽くして、神を愛して命を得ることができるようにする。

07 あなたの敵とあなたを憎み迫害する者には、神はこれらの呪いの誓いをことごとく降りかける。
08 あなたは、立ち帰って主の声に聞き従い、私が今日命じる戒めをすべて行うようになる。
09 神は、あなたの手の業すべてに豊かな恵みを与える。あなたの身から生まれる子、家畜の産むもの、土地の実りを増し加える。主はあなたの先祖たちの繁栄を喜びとしたように、再びあなたの繁栄を喜びとする。
10 あなたが、神の声に従って、この律法の書に記されている戒めと掟を守り、心を尽くし、魂を尽くして、神に立ち帰るからである。

11 私が、今日あなたに命じるこの戒めは理解できないものでもなく、手の届かないものでもない。
12 それは、天にあるものではないから「誰かが天に昇り、私たちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができる」などと言う必要がない。
13 海の彼方にあるものでもないから「誰かが海の彼方に渡り、私たちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができるの」などと言う必要もない。
14 その言葉は、あなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。

【二つの道】

15 私は今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。
16 私が今日命じるとおり、あなたの神を愛し、その道に従って歩み、その戒めと掟と法を守るならば、あなたは命を得て増える。神は、あなたが入って行って得る土地で、あなたを祝福する。
17 もしも、あなたが心変わりして聞き従わず、惑わされて他の神々にひれ伏すならば、
18 私は今日、あなたたちに宣言する。あなたたちは、必ず滅びる。ヨルダン川を渡り、入って行って得る土地で、長く生きることはない。

19 私は今日、天と地をあなたたちに対する証人として呼び出し、生と死、祝福と呪いをあなたの前に置く。あなたは命を選び、あなたもあなたの子孫も命を得るようにしなさい。
20 神を愛し、声を聞き、つき従いなさい。それが、まさしくあなたの命であり、あなたは長く生きて、主があなたの先祖アブラハム・イサク・ヤコブに与えると誓われた土地に住むことができる。


第三十一章


【ヨシュアの使命】

01 モーセは、全イスラエルの前に歩み出て、これらの言葉を告げた。
::02 そして、こう言った「私は今日、すでに百二十歳であり、もはや自分の務めを果たすことはできない。主は私に対して『あなたはこのヨルダン川を渡ることができない』と言った。
03 神ご自身が、あなたに先立って渡り、あなたの前からこれらの国々を滅ぼして、それを得てくださる。主が約束されたとおり、ヨシュアがあなたに先立って渡る。
04 主は、アモリ人の王であるシホンとオグおよび彼らの国にされたように、彼らを滅ぼす。
05 主が、彼らをあなたたちに引き渡されるから、私が命じたすべての戒めに従って彼らに行いなさい。

06 「強く、また雄々しくありなさい。恐れてはならない。彼らに対して、うろたえてはならない。神は、あなたと共に歩む。あなたを見放すことも、見捨てることもない」
07 モーセは、それからヨシュアを呼び寄せて、全イスラエルの前で彼に言った「強く、また雄々しくあれ。あなたこそ、主が先祖たちに与えると誓われた土地に民を導き入れる。そして、あなたが彼らにそれを受け継がせる。
08 主ご自身があなたに先立って行き、主ご自身があなたと共にいる。主はあなたを見放すことも、見捨てることもない。恐れてはならない。おののいてはならない」
09 モーセは、この律法を書き記すと、それを主の契約の箱を担ぐレビ族である祭司およびイスラエルの全長老に与えた。

【モーセの指示と主の言葉】

10 モーセは、彼らに命じて言った「七年目の終わり、つまり負債免除の年の定めの時、仮庵祭に、
11 主の選ばれる場所にあなたの神の顔を拝するために全イスラエルが集まるとき、この律法を全イスラエルの前で読み聞かせなければならない。
12 民をすべて、男も女も子供も、町のうちに寄留する者も集めなさい。彼らが聞いて学び、あなたたちの神を畏れ、この律法の言葉をすべて忠実に守るためであり、
13 これをまだ知らない彼らの子供たちも聞いて学び、あなたたちがヨルダン川を渡り、入って行って得る土地で、彼らも生きている限り、あなたたちの神を畏れるようになるためである」

14 主は、モーセに言った〈あなたの死ぬ日は近づいた。ヨシュアを呼び寄せ、共に出会いの幕屋の中に立ちなさい。私は、彼に任務を授ける〉 モーセは、ヨシュアと共に出会いの幕屋の中に立った。
15 主は、雲の柱の中に現れた。雲の柱は、幕屋の入り口に止まった。

【モーセの死についての予告】

16 主は、モーセに言った〈あなたは、間もなく先祖と共に眠る。すると、この民は入って行く土地で、その中の外国の神々を求めて姦淫を行い、私が民と結んだ契約を破るであろう。
17 その日、この民に対して私の怒りは燃え、彼らを捨てて私の顔を隠す。民は、焼き尽くされ、多くの災いと苦難に襲われる。その日民は《これらの災いに襲われるのは、私の中に神がいないからではないか?》と言う。
18 私は、それでもその日、必ず私の顔を隠す。彼らが、他の神々に向かうことにより行ったすべての悪のゆえである〉

【モーセの歌の序】

19 〈あなたたちは、次の歌を書き留め、イスラエルの子らに教えなさい。それを彼らの口に置き、この歌をイスラエルの子らに対する私の証言としなさい。
20 私が先祖に誓った乳と蜜の流れる土地に彼を導き入れるとき、彼は食べて満ち足り、肥え太り、他の神々に仕え、私を侮って私の契約を破るであろう。
21 そして、多くの災いと苦難に襲われるとき、この歌を子孫が忘れずに唱え続けることにより、民に対する証言となるであろう。私は、私が誓った土地へ彼らを導き入れる前から、すでに彼らが今日、思い図っていることを知っていたのである〉

22 モーセは、その日、この歌を書き記してイスラエルの子らに教えた。
23 主は、ヌンの子ヨシュアに命じて言った〈強く、また雄々しくあれ。あなたこそ、私が彼らに誓った土地に、イスラエルの子らを導き入れる者である。私はいつもあなたと共にいる〉

24 モーセは、この律法の言葉を余すところなく書物に書き終えた。
25 そして、主の契約の箱を担ぐレビ族に命じた。
26 「この律法の書を取り、あなたたちの神の契約の箱の傍らに置き、あなたに対する証言としてそこに置きなさい。
27 私は、あなたたちが頑なで背く者であることを知っている。私がまだ共に生きているときでさえ、あなたたちは主に背いている。私が死んだ後は、なおさらであろう。

28 あなたたちの部族の長老と役人をすべて、私のもとに集めなさい。私はこれらの言葉を彼らに語り聞かせ、天と地を彼らに対する証人とする。
29 私には、分かっている。私の死んだ後に、あなたたちは必ず堕落して、私の命じた道からそれる。そして後の日に、災いがあなたたちに降りかかる。あなたたちは、主が悪と見なすことを行い、その手の業によって主を怒らせるからである」
30 モーセは、イスラエルの全会衆に歌の言葉を余すところなく語り聞かせた。


第三十二章


【モーセの歌】

01 天よ、耳を傾けよ。私は語ろう。地よ、聞け。私の語る言葉を。
02 私の教えは雨のように降り注ぎ、私の言葉は露のように滴る。若草の上に降る小雨のように、青草の上に降り注ぐ夕立のように。
03 私は主の名を唱える。力を私たちの神に帰せよ。
04 主は岩、その業は完全で、その道はことごとく正しい。真実の神で偽りなく、正しくてまっすぐな方。
05 不正を好む曲がった世代はしかし、神を離れ、その傷ゆえに、もはや神の子らではない。
06 愚かで知恵のない民よ、これが主に向かって報いることか。彼は造り主なる父、あなたを造り、堅く立てた方。

07 遠い昔の日々を思い出し、代々の年を顧みよ。あなたの父に問えば、告げてくれるだろう。長老に尋ねれば、話してくれるだろう。
08 いと高き神が国々に受け継ぐ土地を分け、人の子らを割りふったとき、神の子らの数に従い、国々の境を設けた。
09 主の分け前はその民であり、主の受け継ぎはヤコブである。。
10 主は荒野で彼を見い出し、獣の吠える不毛の地でこれを見つけた。これを囲い、いたわり、ご自分の瞳のように守った。
11 鷲が巣を揺り動かし、雛の上を飛びかけり、羽を広げて捕らえ、翼に乗せて運ぶように。

12 ただ主のみ、その民を導き、外国の神は彼と共にいなかった。
13 主はこれを丘陵の地に導き上り 野の作物で養い、岩から野蜜を、硬い岩から油を得させた。
14 彼らは、牛の凝乳・羊の乳・雄羊の脂身・バシャンの雄牛と雄山羊・極上の小麦を与えられ、深紅のぶどう酒・泡立つ酒を飲んだ。
15 エシュルンはしかし、肥えると足でけった。あなたは肥え太ると、頑なになり、造り主なる神を捨て、救いの岩を侮った。
16 彼らは、他の神々に心を寄せ、主に妬みを起こさせ、厭うべきことを行って、主を怒らせた。
17 彼らは、神ならぬ悪霊に犠牲を捧げ、新しく現れ、先祖も知らなかった無縁の神々に犠牲を捧げた。

18 あなたは、自分を産み出した岩を思わず、産みの苦しみをした神を忘れた。
19 主はこれを見て、ご自分の息子、娘への憤りのゆえに、彼らを退けた。
20 そして、言った。私は、私の顔を隠して、彼らの行く末を見届けよう。彼らは逆らう世代、真実のない子らだ。
21 彼らは、神ならぬものをもって、私の妬みを引き起こし、空しいものをもって、私の怒りを燃えたたせた。それゆえ、私は民ならぬ者をもって、彼らの妬みを引き起こし、愚かな国をもって、彼らの怒りを燃えたたせる。
22 わが怒りの火は燃え上がり、陰府の底にまで及び、地とその実りをなめ尽くし、山々の基を焼き払う。
23 私は、彼らに災いを加え、矢を彼らに向かって射尽くすであろう。

24 彼らは飢えてやせ衰え、熱病と激しい病魔のために弱る。私は野獣の牙を、地を這うものの猛毒と共に彼らに送る。
25 外では剣が命を奪い、家には恐れがあって、若い男と女、乳飲み子と白髪の者を共に襲う。
26 私は言ったであろう「彼らを跡形もなくし、人々から彼らの記憶を消してしまおう」と。
27 もし、敵が高ぶり、苦しめる者が誤解して「私たちの手が勝ちを得た。これを成し遂げたのは主ではない」と言うのを、私が恐れなかったならば。

28 彼らは思慮に欠けた国民、彼らには洞察する力がない。
29 もし、彼らに知恵があれば、悟ったであろうに。自分の行く末も分かったであろうに。
30 もし、岩なる神が彼らを売らず、主が渡されなかったなら、どうして一人で千人を追い、二人で万人を破りえたであろうか。
31 しかし、彼らの岩は私たちの岩に及ばない。私たちの敵もそのことは認めている。

32 彼らのぶどうの木は、ソドムのぶどうの木で、ゴモラの畑で育ったもの。そのぶどうは毒ぶどう、その房は苦い。
33 そのぶどう酒は、蛇の毒、コブラの猛毒。
34 これは、私のもとに蓄えてあり、私の倉に封じ込めてあるではないか。
35 私が報復し、報いをする、彼らの足がよろめく時まで。彼らの災いの日は近い。彼らの終わりは速やかに来る。
36 主はご自分の民の裁きを行い、僕らを力づけられる。主が見られるからである。彼らの力がうせ去り、未成年者も成人した者もいなくなったのを。

37 主は言われる「どこにいるのか、彼らの神々は。どこにあるのか、彼らが身を寄せる岩は。
38 彼らは生け贄の脂肪を食らい、注がれた酒を飲んだではないか。さあ、その神々に助けてもらえ、あなたたちの避け所となってもらえ。
39 しかし見よ、私こそ、私こそそれである。私の他に神はない。私は殺し、また生かす。私は傷つけ、またいやす。わが手を逃れうる者は、一人もない。

40 私は手を天に上げて誓う。『私の永遠の命にかけて。
41 きらめく剣を研ぎ、手に裁きを握るとき。私は苦しめる者に報復し 私を憎む者に報いる。
42 私の矢を血に酔わせ、私の剣に肉を食らわせる。殺された者と捕らえられた者の血を飲ませ、髪を伸ばした敵の首領の肉を食らわせる』」
43 国々よ、主の民に喜びの声をあげよ。主はその僕らの血に報復し、苦しめる者に報復して、その民の土地を贖われる。

【モーセの歌の終わり】

44 モーセは、ヌンの子ホシェアと共に来て、この歌の言葉をすべて民に語り聞かせた。
45 モーセは、全イスラエルにこれらの言葉をすべて語り終えた。
46 そして言った「あなたたちは、今日私があなたたちに対して証言するすべての言葉を心に留め、子供たちに命じ、この律法の言葉をすべて忠実に守らせなさい。
47 それは、あなたたちにとって決してむなしい言葉ではなく、あなたたちの命である。この言葉によって、ヨルダン川を渡って得る土地で長く生きることができる」

【再びモーセの死についての予告】

48 その同じ日に、主はモーセに言った。
49 〈エリコの向かいにあるモアブ領のアバリム山地のネボ山に登り、私がイスラエルの子らに所有地として与えるカナンの土地を見渡しなさい。
50 あなたは、登って行くその山で死に、先祖の列に加えられる。兄弟アロンがホル山で死に、先祖の列に加えられたように。
51 あなたたちは、ツィン荒野にあるカデスのメリバ泉で、イスラエルの子らの中で私に背き、イスラエルの子らの間で私の聖なることを示さなかったからである。
52 あなたはそれゆえ、私がイスラエルの子らに与える土地をはるかに望み見るが、そこに入ることはできない〉


第三十三章


【モーセの祝福】

01 神の人=モーセが死の前に、イスラエルの子らに与えた祝福の言葉。

02 主はシナイより来て、セイルから人々の上に輝き昇り、パランの山から顕現した。主は千よろずの聖なる者を従えて来る。その右の手には燃える炎がある。
03 あなたは民らを慈しみ、すべての聖なる者をあなたの手におく。彼らはあなたの足もとにひれ伏し、あなたの御告げを受ける。
04 モーセは我らに教えを授け、ヤコブの会衆の受け継ぐべきものとした。

05 民の長たちがイスラエルの諸族と共に集うとき 主はエシュルンの王として臨んだ。
06 ルベンを生かし、滅ぼさないでください。たとえその数が少なくなるとしても。
07 この言葉を彼はユダのために言った。主よ、ユダの声に耳を傾け。その民のもとに彼を来させてください。手をもって彼のために戦い、苦しむ者からの助けとなってください。

08 レビのために彼は言った。あなたのトンミムとウリムを、あなたの慈しみに生きる者に授けてください。あなたがマサで試し、メリバの泉で争ったとき、
09 彼は自分の父母について「私は彼らを顧みない」と言い、兄弟を認めず、自分の子さえ無視し、あなたの仰せに従い、契約を守ったからです。
10 彼らはあなたの裁きをヤコブに、あなたの教えをイスラエルに示し、香をたき、祭壇に完全に全焼の供え物を捧げます。

11 主よ、彼の力を祝福し、その手の業を受け入れてください。彼に立ち向かう者の腰を打ち砕き、彼を憎む者が再び立てぬようにしてください。
12 ベニヤミンのために彼は言った。主に愛される者はその傍らに安んじて住み、終日、神に身を寄せて、そのお守りのもとに住まう。
13 ヨセフのために彼は言った。主の祝福がその土地にあるように。天からは露の賜物、下は横たわる淵の賜物。
14 太陽がはぐくむ賜物、月ごとに生み出される賜物。

15 いにしえの山々のもたらす最上の物、とこしえの丘の賜物。
16 地とそれに満ちるものの賜物、柴の中に住まわれる方の慈しみ。それらすべての恵みがヨセフの頭に、兄弟たちから選ばれた者の頭に臨むように。
17 彼は威光に満ちた雄牛の初子、彼の角は野牛の角。彼は諸国の民を角で突き倒し、地の果てにまで進み行く。見よ、エフライムの幾万の軍勢を。見よ、マナセの幾千の軍勢を。
18 ゼブルンのために彼は言った。喜べ、ゼブルンよ、海に漕ぎ出すときに。喜べ、イサカルよ、あなたの天幕の中で。
19 彼らは諸国の民を山に招き、そこで正しい生け贄を捧げる。彼らは海の富、砂に隠れた宝を手に入れる。

20 ガドのために彼は言った。讃えよ、ガドの土地を広げられる方を。ガドは雌獅子のように待ち伏せ、獲物の腕や頭を引き裂く。
21 彼は自分のために最上のものを選び出した。指揮者の取り分がそこにあったからだ。民の長たちは相集い、主は恵みの業を行い、イスラエルのために裁きを行った。
22 ダンのために彼は言った。ダンは獅子の子、バシャンの野から躍り出る。
23 ナフタリのために彼は言った。ナフタリは主の恵みに満ち足り、その祝福に満たされ、湖とその南を手に入れる。
24 アシェルのため彼は言った。アシェルは子らのうちで最も祝福される。兄弟に愛され、その足を油に浸す。

25 あなたのかんぬきは鉄と青銅。あなたの力はとこしえに続く。
26 エシュルンの神のような方は他にはない。あなたを助けるために天を駆け 力に満ちて雲に乗る。
27 いにしえの神は難を避ける場所、とこしえの腕がそれを支える。神はあなたの前から敵を追い散らし「滅ぼし尽くせ」と言った。
28 イスラエルは安らかに住み、ヤコブの泉だけが絶えない。穀物と新しい酒に富み、天が露を滴らす土地に。
29 イスラエルよ、あなたはいかに幸いなことか。あなたのように主に救われた民があろうか。主はあなたを助ける盾、剣が襲うときのあなたの力。敵はあなたに屈しあなたは彼らの背を踏みつける。


第三十四章


【モーセの死】

01 モーセはモアブの平野からネボ山、つまりエリコの向かい側にあるピスガの山頂に登った。主はモーセに、すべての土地が見渡せるようにした。ギレアドからダンまで、
02 ナフタリ全土、エフライムとマナセの領土、西の海に至るユダ全土、
03 ネゲブおよびなつめやしの茂る町エリコの谷からツォアルまで。
04 主は、モーセに言った〈これが、あなたの子孫に与えると私がアブラハム・イサク・ヤコブに誓った土地である。私は、あなたがそれを自分の目で見えるようにした。しかし、あなたはそこに渡って行くことはできない〉

05 主(しゅ)の僕(しもべ)モーセは、主の命令にのためにモアブの地で死んだ。
::06 主は、モーセをベト=ペオルの近くのモアブの地にある谷に葬ったが、今日に至るまで、誰も彼が葬られた場所を知らない。
::07 モーセは死んだとき、百二十歳であった。しかし、目はかすまず、活力も失せてはいなかった。

08 イスラエルの子らはモアブの平野で三十日間、モーセを悼んで泣き、モーセのために喪に服して、その期間は終わった。
09 ヌンの子ヨシュアは、知恵の霊に満ちていた。モーセが、彼の上に手を置いたからである。イスラエルの子らは彼に聞き従い、主がモーセに命じられたとおり行った。
10 イスラエルには、再びモーセのような預言者は現れなかった。主が、顔と顔を合わせて彼を選び出したのは、
11 彼をエジプト国に遣わして、ファラオとそのすべての家臣および全土に対してあらゆる徴(しるし)と奇跡を行わせるためであり、
12 また、モーセが全イスラエルの目の前で、あらゆる力ある業とあらゆる大いなる恐るべき出来事を示すためであった。


Kuroda Kouta (2005.11.11/2007.02.13)