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 『仏説父母恩重経』 私的研究



○資料の内容

 『仏説父母恩重経(ぶっせつ ぶも おんじゅうきょう)』という教典をご存じでしょうか?
 「父母」は「ふぼ」でなく、ふつう「ぶも」と読みます。また、実際には「父母」ではなくて、「母父」なのですが、ここでは詳しいことは言いません。インドが母系社会ですから、最初の教典では、順序が逆なのでしょう。そして、その教典が中国で訳されたときに、中国の家族制度に合わせて、順序を「父母」というように変えたのだと思います。

 『仏説父母恩重経』は短い経ですけれど、そこに書かれていることは、親子の基本的なことなのです。そして、現代社会にとって、もう一度 考え直してみなければいけないのではないかと思われるほど、切実な問題も含まれているようです。とくに、子をもった親にしてみればです。
 そんなために、ここでは、この教典が「実際に釈尊によって説かれたものかどうか」などというような学問的なことは、あまり考えないことにします。ただ、現在の経の一字一句を、少しずつ味わってみたいと考えています。

 以前に何回か読んだのですけれど、その内容が未だに忘れられません。そこで、自分自身の復習・研究のために、このシリーズに全巻をテキストとして、改めてインプットすることにしました。
 そして、現時点では

(1) 『仏説父母恩重経』 私的研究 …… このページです。
(2) 読下し『仏説父母恩重経』 全巻 …… いちおうインプットを終了しました。
(3) 意訳『父母恩重経』 抜粋 …… まだ、できていません。

を用意しました。(2006.01.01現在)
 なお、この経の一部を引用した作品に、「人はどこから来て、どこへ行くのか?」というモチーフで、

   春の雲

というのがあります。

 原文の中で、一部が現代文の送りがなになっているところなど、まったく手前勝手で申し訳ありません。インプットするときに、私のパソコンで、いちいち旧仮名遣いにするのが面倒だったからでもあります。
 そんなことも、ご理解をしていただけなければいけません。
 つまり、読み下し文と言っても、いわゆる「漢字かな交じり文」に過ぎません。
 読み間違いのないように、ふりがなを該当漢字の直後で、括弧に入れて示したのですが、そこは口語表記になっています。また、原文自体の表記も、一部では現代かな遣いになっているところがあります。つまり、文法の学問的な評価をすると、きわめて怪しげなものになっているのではないかと思います。

 (3)は意訳ですが、 いわゆる「漢字かな交じり文の口語表記」に過ぎません。
 思い切ってナウい現代語にしてあります。若い女性が、母親になったときにも、大いに参考になるようにという、老婆心のようなものが働いたからです。
 抜粋にある段の中の「……」とある箇所は、そこで大幅に原文が省略されていることを示します。もしも、その部分がどうなっているかを必要とするときは、(2)を参照してください。

○『仏説父母恩重経』のいわれ

 このタイトルにわざわざ「仏説」とあり、本文が「如是我聞」で始まる教典は、しかしながら一説では「疑経(ぎきょう)」と言われます。つまり、実際には釈尊が説いたのではなく、その形式を用いて後世に作られたというのです。
 ふつう、釈尊の説法に基づいてインドで作成された教典は、中国でくまらじゅうその他の人たちによって漢訳され、それが日本に伝来をしました。しかし、新たに作られた経があるのです。つまり、原典から翻訳されたのではないものがあります。

 それらは、疑経あるいは偽経として分類され、大蔵経には含まれませんでした。正しい仏典として認定されたものだけが、「真経」として、大蔵経の内容になったからです。
 そのような教典には、この「父母恩重経」を初めとして、「盂蘭盆経」、「善悪因果経」などがあります。
 しかし、ここではそのような問題を取り扱いません。現実の問題として、学者でない私が、その教典のいわれを調べても仕方のないことでしょう。

本文に関する補足

 フォーマットの都合で、縦書きを横書きにしました。
 それでも句読点を増やし、読みやすくする工夫とともに、段落を増やして直感的な理解を深めるようにもしました。
 読みにくい漢字には、その直後にふりがなをかっこの中に記し、例えば「括弧(かっこ)」のようにです。ただし、その場合に読みは旧仮名遣いではなく、現代の表音を用いた読み方にしてあります。
 わかりにくい意味の言葉については、その直後に「簡単な補足説明を『=』を附けて」示しました。

 その他、いろいろな観点から読みやすくするための工夫をしたため、原文の様子と異なってしまった箇所があるかもしれません。
 漢字は、ほとんどが常用漢字にしました。その場合も、原則としては読みやすくすることを目的とした。そのために、かなりの箇所を簡単な形に改めたのです。
 そんな中でも、作業中に変換できない漢字や「ない漢字」などが多く含まれているので、苦労をしました。
 ここに手書きで、その文字の一覧表を示す予定ですが、本文のほうは文字を「*」として、続いて括弧の中にその文字のイメージを示してあります。

     [漢字一覧表]

 読みやすくするという観点から、漢字をひらがなに改めたり、ひらかなを漢字に置き換えたりした箇所もあります。

 文字が続いてしまって、読み間違いをしそうな箇所には、読点「、」や中丸「・」あるいは半角のスペースなどを置いた。例えば、詩の中にある区切りなどには、読点や中丸が利用できないので半角のスペースを置いて、読み間違いのないような配慮をした。
 中丸「・」は、主に言葉が同等で並ぶときに用いた。

 思い切って、段落なども読みやすくするために増やしてしまった。つまり、段の中の改行の箇所を多くしたのである。
 読みやすくするために、原文にない送りがなも加えた部分もある。
 あくまで自分自身の研究用のテキストであるから、学問的には問題が生じるかもしれません。
 したがって、もしも何らかの形で、このテキストをご利用いただく場合は、そんなことをご承知していただきたい。

○『仏説父母恩重経』の研究

 この部分は、現在制作中です。別のページになっていて、まだこのホームページからは見れません。
 その原稿の一部分が、一時的にここにメモしてあります。

・ 「仁」という字にも、「女」が付くと大変な意味になってしまうことが、この経からわかった。
 つまり、「佞嬖(ねいへい)の輩(やから)」というくだりである。

○『仏説父母恩重経』の評価

 いちおう全文を掲げましたが、現代となっては、もはや必要のない箇所は、そこを読み飛ばせばよいと思います。
 なお、この『仏説父母恩重経』に関する一連の資料は、私の研究用として作成した資料なので、学問的な解釈ではありません。したがって、間違っている箇所がかなりあることでしょう。
 ご指摘やご注意をいただければ、幸いです。

Kuroda Kouta (2006.01.01/2007.11.06)